479億円男・トラウト、5試合で12打点と絶好調! ハーパーは月間2割台前半と大型契約の二大スターに明暗
ロサンゼルス・エンゼルスの主砲マイク・トラウト外野手が絶好調を維持している。ここ5試合では驚異の12打点をたたき出すなど上向きで、5月2日(日本時間3日)以来の打率3割台復帰を果たした。一方で、比較対象にたびたびあげられるフィラデルフィア・フィリーズのブライス・ハーパー外野手は不振にあえいでいる。同様に超大型契約を引っ提げて戦う二大スター外野手に、今季ここまでははっきりと明暗が分かれている。
2019/06/22
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”選ばれし者”ハーパーの現在地とは?
トラウトと常に比較され続けてきたもう一人のスターが、フィリーズのハーパーだ。昨オフは壮絶な争奪戦の末、13年約368億円の巨大契約でフィリーズにFA移籍。ジーン・セグーラ内野手、J.T.リアルミュート捕手、アンドリュー・マカッチェン外野手らと並べてフィリーズ大型補強の目玉として注目されてきた。
しかし、そのハーパーは今季ここまで、思い通りの数字は残せず。スターぞろいの打線の中で、いまいち存在感を発揮しきれずにいるのが現状だ。開幕から通算で打率.243(ナ・リーグ64位)、12本塁打(同37位タイ)、50打点(同11位タイ)、OPS.809(同38位)。打率の割にOPSは高く、最低限の貢献はしているものの、契約の規模から考えると期待外れとされても仕方のない成績だ。
古巣ワシントン・ナショナルズとの対戦で豪快な本塁打を放ち、フィリーズファンの心を一気に掴むなど、スター性という面ではMLB屈指のものがあるハーパー。しかし、4月は月間OPS.802、5月は.811としてきたものの6月は.688まで下降。月間打率.226、2本塁打、9打点と寂しい数字が並んでいる。
しかし、従来は、全分野で優等生、”安定感のトラウト”、豪快なホームランのみが売りの”スター性のハーパー”と思われがちだが、守備指標に目を向けるとその傾向が必ずしも正しくないことも事実だ。米データサイト『ファングラフス』によると、アーム(送球による進塁阻止)とレンジ(守備範囲)の二点ではハーパーがトラウトを上回っており、守備面での総合的な貢献度はハーパーに軍配。一つの側面だけでは選手の能力を測りきれないのも、野球の魅力かもしれない。