「“マシーン”が帰ってきた」プホルス、古巣セントルイスに移籍後初降臨 捕手モリーナも粋な計らい
2019/06/22
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全力疾走で内野安打!通算3134安打目をマーク
ロサンゼルス・エンゼルスのアルバート・プホルス内野手が21日(日本時間22日)、敵地ブッシュ・スタジアムでのセントルイス・カージナルス戦に「5番・一塁」で先発出場。デビューから11シーズンを過ごした古巣を相手に元気な姿を見せた。
メジャー19年目を迎えた39歳のプホルスは、デビュー年の2001年から2011年までカージナルスでプレー。この12年間で最優秀新人賞をはじめ、リーグ最優秀選手賞(MVP)3度、オールスターゲームに9度選出されるなど数々の功績を残した。また、タイトルだけでなく2006年と2011年にはワールドシリーズ制覇に貢献し、セントルイスの偉大なヒーローとして君臨した。
プホルスがブッシュ・スタジアムでプレーするのは2012年にエンゼルスに移籍後初めて。カージナルスとは2013年と2016年にそれぞれ3試合ずつ行っているが、いずれもエンゼル・スタジアムだったため、実に8年ぶりに古巣ブッシュ・スタジアムに降り立つことが実現した。
エンゼルスは初回、3番ジャスティン・アプトン外野手の適時二塁打で1点を先制。なおも2死二塁のチャンスでプホルスが第1打席を迎えた。
プホルスが場内でアナウンスされると同時に、訪れたファンは大歓声のスタンディングオベーション。そしてプホルスも、一度打席の土を慣らした後に、カージナルスのヤディアー・モリーナ捕手に促されてヘルメットを脱いで笑顔で歓声に応えた。さらに打席に入る前にはモリーナとハグを交わし、一層大きな拍手が2人を包み込んだ。
この打席はマイケル・ワカ投手の初球を弾き返し左飛に倒れたが、この間も終始拍手は鳴りやまず。名前をコールされてから打席を終えるまでの約1分半、プホルスに対する「敬意」が球場全体にこだましていた。
プホルスは4回の第2打席は四球。しかし、1-2と1点を追う7回に先頭打者として迎えた第3打席は、カージナルス2番手のジオバニー・ガエゴス投手に対してフルカウントから91.8マイル(約148キロ)の速球を弾き返し、当たりこそ弱かったが、緩いゴロとなったのが幸いし三塁への内野安打となった。
エンゼルスはプホルスを一塁に置いて、1死からルイス・レンフィフォ内野手も左前安打で続いて一、二塁にチャンスが広がる。ここでプホルスは代走のウィルフレド・トーバー内野手と交代。ベンチへ下がる際には再び観客から拍手を浴び、2打数1安打1四球の成績(打率.233)でこの日の役目を終え、ベンチからチームメイトを反撃に声援を送った。
しかし、エンゼルスはこの回を無得点で終えると、直後の守りで3番手のルーク・バード投手が四球と暴投でピンチを招き、そこから3本の適時打を浴びて一挙3失点しリードを広げられた。チームはそのまま1-5で敗れ2連敗。17日(同18日)以来となる借金「1」となった。
米公式サイト『MLB.com』によると、プホルスは試合後「私は感情的になる人間ではないが…今は違う」と話しながら、「今夜は言葉では説明できない」とキャリアの長くを過ごしてきたセントルイスの地に思いを馳せていた。プホルスはカージナルスでの11年間で通算2073安打をマーク。この日はエンゼルスで1061本目となる安打を放ち、通算安打を3134安打(メジャー歴代20位)としている。
また、MLB公式インスタグラムでは、この日のプホルスの第1打席を動画で投稿。「いいね」は22万を超え、1900を超えるコメントの中には「レジェンド」「グレイテスト・ヒッター」「“マシーン”が帰ってきた」といったプホルスへ向けた声や、「セントルイス=ベストファン」といった野球熱の強いセントルイスのファンに対する称賛の声が綴られている。