菊池雄星、打線の大量援護で6戦ぶり4勝目。ボール自体は復調、勝負すべき場面で避けない投球を【雄星リポート第17戦】
シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が23日(日本時間24日)、本拠地のTモバイルパークでのオリオールズ戦に先発し、6回を投げて5安打3失点で抑えて4勝目をあげた。6試合ぶりとなる嬉しい1勝で、同時にクオリティースタートもキープした。打線が爆発する中で、勝利に貢献できたことは本人にとっても大きいはずだ。
2019/06/24
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5回は圧巻投球
8番打者のブログストンを軽視するわけではないが、勝負するべき選手とそうでない選手をどう割り切っていくか。強打者が居並ぶ中での取捨選択を明確にしていかなければいけないだろう。
四球を出すことが悪いのではなく、どうしても出さなければいけない選手がいたとしても、出してはいけない選手もいる。2回は立ち上がりという中で探りながらの投球だったと言えるが、4回の8点リードの中で1死走者無しからの四球は、菊池の現状を物語っているような気がしてならないのだ。
先にも書いたように、1、2回の失点のシーンは致し方ないものだった。
2番・マンシーニの本塁打は投球前からヤマを張られていたか、タイミングがあって捉えられたものだろう。2回の適時打にしても、うまく打たれたと言っていい。野球は偶然に起きてしまうプレーというのがたくさんある。完璧に捉えられたと思っても、打球が野手の正面に行けばアウトになるし、反対に抑えたと思っても、野手の間に落ちることもある。
だが、それはベストなボールをストライクゾーンに投げた先に生まれる。時に避けなければいけないケースや配球も考えて投球はするが、勝負すべき場面の取捨選択は重要になる。障害物を避けるようなピッチングでは、自分を苦しめるだけだ。
もっとも、これまで5試合、勝ち星から遠ざかり、ベストなボールが投げることができなかったメンタルな部分が影響しているのは事実だ。慎重になるのは理解できる。打線が爆発してくれた中で、この日のピッチングをどう次に繋げるかは、勝利したこと以上に必要になってくる。
1番から始まった5回表のピッチングは圧巻だった。先頭打者のアルバートをチェンジアップでセカンドゴロに抑え、2死の後、3番・セベリーノはチェンジアップで三振に切って取ることができた。
投げるボール自体は復調した。
どれだけ勝負できるか。次回以降の課題にしたい。
氏原英明