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実力に加え、運も味方に セットアッパーの地位を築いた田澤純一

セットアッパーとして安定感抜群のピッチングでチームを支える田澤だが、その活躍には幸運の要素も大きな役割を果たしているという見方がある。レッドソックスへの入団経緯、ピッチングでのデータはともに田澤に運が味方していたことを示している。

2015/05/29

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幸運の兆候を示すデータとは?

 経歴における幸運とともに、数字面でも田澤には幸運の兆候があることが指摘されている。ここで元にされているのがLOB%という数字だ。
 これは許した走者を返さなかった割合を示すデータで、多くの投手は70%前後に収束すると言われている。
 これより高い投手は幸運に恵まれた結果の可能性が高く、翌年は揺り戻しによる成績悪化が懸念されると言われている。

Among all relievers with at least 150 innings pitched between 2012 and Monday, Tazawa ranks eleventh in LOB%, at 82.7%. Of the ten relievers ahead of him, six have K/9s over that span over 10.00 (including Koji Uehara, who ranks first in LOB% at 92.0%).
2012年からこの月曜日の間、150イニング以上投げたすべてのリリーフ投手のうち、田澤のLOB%は82.7%で11位に位置づけられる。彼より上にいる10人のリリーバーのうち、LOB%92.0%でトップの上原浩治を含む6人は、その期間中に奪三振率10以上を記録している。

 奪三振が多い投手は、インプレー打球でのアウトが多い投手と比べてランナーの進塁機会が少ないため、LOB%は高くなりやすい。また田澤より上にいる残りの4人の投手にもそれぞれゴロ打球率が高かったり(併殺打が多い)、あるいはポップフライでのアウトが多いといった、LOB%が高くなりやすい傾向が見られた。

 LOB%で上位にランクインする田澤だが、今後もこれまでのような高いLOB%(走者を出しても返さない投球)を維持していくことは難しいと見る向きもある。記事中では、併殺率7%はメジャー平均の11%を下回り、ポップフライの数も平均的で決定的要素がないことを理由に、「田澤が2.00以下の防御率でシーズンを終われない可能性は大いにある」とも指摘しているのだ。

 しかし、ここまでの成績と投球内容(奪三振率8.1,与四球率1.7、K/BB4.76)や2013年のワールドシリーズを筆頭にこれまで培ってきた経験を考えれば、優秀なセットアッパーであり続ける可能性は高く、これからもレッドソックスを助け続けるという結論に変わりはない。

これほどの安定した力を発揮し、勝利に貢献している以上、上原へつなぐセットアッパーとして田澤に対するレッドソックスの信頼が揺らぐことはないだろう。

出典:Junichi Tazawa: Good at Being Lucky? By Ryan P. Morrison in Baseball Prospectus Boston on May.27 2015

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