速球王ヒックスに暗雲 利き腕の靭帯損傷が発覚、大谷翔平と同じ道辿る可能性も
2019/06/25
Getty Images
今季は驚異の平均164キロ
セントルイス・カージナルスのジョーダン・ヒックス投手が右肘靭帯を損傷していることが分かった。米公式サイト『MLB.com』が24日(日本時間25日)、伝えている。
ニューヨーク・ヤンキースのアロルディス・チャップマン投手と並ぶ速球派として活躍するヒックス。これまでには105マイル(約169キロ)を計測したこともあるが、その豪速球が身体に相当な負担をかけていたのかもしれない。
ヒックスは22日(同23日)のロサンゼルス・エンゼルス戦に登板。8回から登板すると9回のマウンドにも上がったが、2死を獲ったところでヤディアー・モリーナ捕手がヒックスの異変に気づき、ヒックスは試合終了目前で緊急降板することになった。
同サイトによると試合後の検査の結果、ヒックスは右肘のUCL(肘内側側副靭帯)の損傷が判明。どの程度の損傷なのか、けがの詳細までは伝えられていない。球団はこれからの処置を決めている模様だ。
なお、同箇所を痛めた選手は靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けることが多いとも言及されている。近年ではロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手もUCLを痛めて手術を受けている。当初はPRP(多血小板血漿)療法による治療の方針を取っていた大谷だが、後に手術に踏み切っていた。
ヒックスは2015年にカージナルスからドラフト3巡目(全体105位)で指名を受けてプロ入り。昨季は開幕メジャーを勝ち取ると、キャリア1年目から豪速球を武器に73試合に登板するフル回転の活躍でチームに貢献した。
そしてメジャー2年目、22歳で迎えたシーズンとなった今季はクローザーに抜擢。直球の平均球速は102.4マイル(約164キロ)と異次元のスピードを維持し、チーム最多の14セーブを挙げるなどして、シカゴ・カブス、ミルウォーキー・ブリュワリーズら強打者擁する球団との首位争いをしているチームを支えていた。
カージナルスはオフに2年2500万ドル(約27億円)で獲得したアンドリュー・ミラー投手が不調。クローザーだったヒックスにも長期離脱を余儀なくされる可能性が浮上しているだけに、ブルペン陣は厳しい状態に置かれている。夏のトレード戦線では救援投手の獲得が必要となるかもしれない。