本当に大丈夫? それでも懸念される右肘のリスク。田中将大に突き付けられた2年目への宿題
9月27日の敵地でのレッドソックス戦に先発し、今季最短となる1回2/3を7安打7失点でKOされた。肘の故障から先発に復帰しての2戦目、ヤンキース・田中将大投手の今季ラスト登板は来季に向けて課題の残る内容となった。
2014/09/29
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評価がしにくい田中将大の今季ラスト登板
非常に判断の難しいラスト登板となった。
ヤンキース・田中将大投手の今季ラスト登板。9月27日の敵地でのレッドソックス戦に先発し、今季最短となる1回2/3を7安打7失点でKOされた。
1回2/3での降板はプロデビュー戦だった07年3月29日のソフトバンク戦以来となる日米通じてプロ最短タイ。右肘靱帯の部分断裂から75日ぶりに復帰した同21日のブルージェイズ戦では、5回1/3を1失点で復活の白星を挙げたばかり。
中5日で臨んだ「叩き2戦目」。最悪の場合、手術も想定された右肘の状態を計るための大事な2試合の結果は、大きく明暗を分けた。
最悪の結果に試合後、地元メディアの質問も当然右肘に集中した。右肘は大丈夫なのか? やはり手術が必要なのか?
ジョー・ジラルディ監督は「制球が良くなかったし、直球の切れは悪かった。ただ投球の内容の問題で、健康の異常ではない」と投球内容には不満でも、右肘の状態に関しては問題ないと強調。
ラリー・ロスチャイルド投手コーチも「肘に問題はない。医者に見せる理由もない。長期離脱から復帰して、2度目が乱れることはよくある」と肘の状態については同調していた。
当の田中本人も、肘については「大丈夫です」ときっぱり。「投球内容は良くなかったが、体の部分では大丈夫だと思います」と繰り返した。試合前は80~85球が球数の目安に設定されていたが、打ち込まれたために50球しか投げられず。
しかもストライク率は50%の25球にとどまった。今季通算のストライク率67.1%を大きく下回り、登板20試合中ワースト。この日最速93マイル(約150キロ)に達したのはわずか2球だった。球速も、制球も不満が大いに残った。
ただ、たとえこの2試合の復帰登板がどんな抜群の内容だったとしても、田中の右肘については、今後常に手術というリスクと背中合わせであることを覚悟しなければならない。