ヤンキース指揮官は否定的 田中将大復帰で6人制ローテの導入は本当に不要か?
ヤンキースの田中将大のメジャー復帰が決まった。先発が不安定なヤンキースに、今後故障明けの主力投手が戻ってくるが、怪我の再発防止も考えるならば、慎重な起用法が求められる。そこで選択肢の一つになるのが、先発6人制だ。すでにライバル球団のメッツは一時的だが6人制の採用を敷くという。はたして、ヤンキースの指揮官の決断はいかに。
2015/05/31
Getty Images
ニューヨークのライバル球団は6人制導入へ
地下鉄で結ばれた同じニューヨークを本拠とするライバル球団メッツは、一足早くこの先発投手6人制をテストすることを決めた。昨年の開幕投手ディロン・ジーが、股関節痛から間もなく復帰予定。テリー・コリンズ監督は、オリックス指揮官時代にも用いていた先発投手6人制を一時的に敷く考えを明かしている。
メッツはエースのマット・ハービーがトミー・ジョン手術明け。2番手のバートロ・コローンは42歳の高齢で、左腕ジョナサン・ニースは左肩痛の持病を抱える。昨年新人王のヤコブ・デグロムと、22歳の新人ノア・シンダーガードは1年間ローテーションを回った経験がない。タイトな中4日ではなく、中5~6日で回せる先発投手6人制を試すには、うってつけの環境なわけだ。
加えて、チームの宝であるハービーは、破竹の開幕5連勝後に失速。その後5戦未勝利で3敗し、ここ2戦は4回7失点、8回4失点と打ち込まれている。コリンズ監督は疲労性の「デッド・アーム」の兆候を口にしており、やはり先発投手5人制による負担が響いている可能性が高い。
メッツのこの試みがうまくいった時、ジラルディ監督には果たしてどう映るだろうか。田中とノバが戻れば、マイケル・ピネダ、サバシア、ネーサン・イオバルディ、カプアーノもしくはウォーレンによる6枚がしっかり顔をそろえる。
右手首と前腕の故障のため離脱した田中に代わり、ローテーションの穴を埋めたチェース・ウイットリーは、残念なことに右肘のトミー・ジョン手術を受けて今季絶望となってしまった。もう悲劇を、これ以上繰り返すわけにはいかない。
昨年のオールスターの前日会見で、レンジャーズ・ダルビッシュ有が提唱し、米球界でも広く議論された先発投手6人制。確かに中継ぎの頭数か、ベンチ入り野手のどちらかが1枚減るデメリットは大きいかもしれない。それでも田中の復帰を機に、もう一度その可能性を探ってみるのは無駄にはならないはずだ。
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