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「打撃は空手チョップ」青木宣親、開幕前から一転高評価 球宴選出も現実的に

トレーニング・キャンプもほぼ終わりに近づいた頃、サンフランシスコ・ジャイアンツのボーチー監督は今シーズン、エンジェル・パガンに代わって青木宣親を先頭打者として起用すると発表した。パガンは健康だし、これまでも十分リードオフマンとしての役を果たしてきただけあって、この発表に対しては批判の声も上がった。しかし、その指揮官の決断に青木はバットで応えている。

2015/05/31

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攻走守においてチームに貢献

 シーズンも3分の1が終わろうとしている今振り返ると、この決断はやはり、いずれ殿堂入りするであろう名監督ボーチーの目に間違いがなかったことを証明している。数字を見れば一目瞭然である。
『goldengatesports.com』では、今季、1番打者で活躍する青木宣親の活躍を指揮官の決断とともに称えている。

 現地5月29日朝現在、青木は全49試合中、47試合で(すべて先頭打者として)出場。打率・出塁率・長打率は.326/.398/.418。四球もバスター・ポージーと並び20個でチームトップ。これまで22得点、二塁打7本、三塁打2本、ホームラン2本を打っている。

 青木は”スピード”という武器も見せてくれる。これまで11回の盗塁を成功させているが、チームで青木以外の盗塁はまだ合計14個。この調子ならば、2007年に31盗塁を決めたデーブ・ロバーツ以来、初めてジャイアンツの選手として30以上の盗塁を記録することも可能だろう。

Not only is he productive, but Aoki is just flat out fun to watch. Watching him take his at-bats against opposing pitchers is like watching an artist work on his painting. His swing is both ugly and beautiful at the same time, as he chops at pitches with his fantastic bat speed.
青木がこうして成績をきちんと出していることも大切だが、それだけでなく、とにかく見ているだけで楽しい選手である。バッターズボックスで相手ピッチャーと対決する青木の姿は、まるでキャンバスに向かって芸術作品を創造する美術家のようである。青木のスイングは見苦しく、かつ美しい、その両方である。素晴らしいスピードでバットを回し、ピッチャーからの投球を空手チョップするかのように攻撃するのである。

 難しい球を繰り返しファールにして粘るため、サードベースコーチのロベルト・ケリーは緊張の連続である。時には、「おいおい、あんな球にどうやってバットを当てたんだ」と疑いたくなることもある。このアプローチで青木は際どいボールはファールで逃げて、甘い球が来れば確実に仕留めてセンターへ弾き返す、あるいはレフト前に落ちるポテンヒットにしていく。

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