MLB本塁打競争、79発飛び交う死闘の準決勝 怪物新人ゲレーロJr.「神を信じた」殿堂入り父も称賛
2019/07/09
Getty Images
ドジャース・ピーダーソンと球史に残る大接戦
MLBホームランダービーが8日(日本時間9日)、プログレッシブ・フィールドで行われ、準決勝でトロント・ブルージェイズの20歳ブラディミール・ゲレーロJr.内野手とロサンゼルス・ドジャースの27歳ジョク・ピーダーソン外野手が対戦。2度のタイブレークを経てサドンデスで決着が付くという死闘が繰り広げられた。
今年のオールスターゲームは9日(同10日)にクリーブランド・インディアンスの本拠地プログレッシブ・フィールドで開催。前日に前夜祭としてホームランダービーが行われ、その準決勝第1試合が壮絶な戦いとなった。
プログレッシブ・フィールドは左翼フェンスが高く設計されており、右打者のゲレーロJr.には不利と思われていたが、ゲレーロJr.は父親譲りの豪快なスイングで1回戦を軽々と突破。そして迎えた準決勝、ドジャースの左打者ピーダーソンと対戦した。
まず4分間のレギュレーションではともに440フィート(約134メートル)以上の本塁打を2本放ちボーナス30秒を獲得。4分30秒で29本ずつを記録して、勝負はタイブレークに持ち込まれた。
最初のタイブレークは、60秒による勝負。先攻のゲレーロJr.が8本を放ちプレッシャーをかけたが、ピーダーソンも同じく8本。続いてわずか3スイングで競い合う2度目のタイブレークが行われた。しかし、ここでも1本ずつで並び、対決は同じ3スイングでのサドンデスに突入する。
ここではまずゲレーロJr.が2本放ち勝負強さを発揮。再び延長か、いよいよ決するのか。球場中の大歓声を受けたピーダーソンは最初のスイングで本塁打を記録したが、疲れがピークに達していたのか残り2スイングはスタンドに届かず。計40-39でゲレーロJr.が歴史的な勝利を収めたのだった。
米公式サイト『MLB.com』によれば、ゲレーロJr.はこのホームランダービーを中継した現地スポーツ専門テレビ局『ESPN』のインタビューに対し「神を信じ、自分を信じていた。ピーダーソンは強敵だったよ。素晴らしいショーだったね」と喜びのコメント。父で米野球殿堂入りを果たしているブラディミール・ゲレーロ氏も自身のツイッターで「よくやった!誇りに思うよ」と称賛した。
一方、ダウン症を患う弟チャンプさんの応援を受けて奮闘したピーダーソンも「興奮したね。ゲレーロは最も才能のある打者の一人で、彼と競い合うのは本当に楽しかったよ」と話し、勝ったゲレーロJrを称えながら充実感を漂わせた。
ゲレーロJr.は決勝で同じく新人のピーター・アロンゾ内野手(ニューヨーク・メッツ)に敗れたものの、準決勝で繰り広げられたピーダーソンとの戦いは、見守った全てのファンの記憶に残るものになったことだろう。