ダルビッシュ有「彼は怪物」“カモ”のカージナルス主砲に決勝被弾 指揮官は10残塁の打線に奮起促す
2019/07/31
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序盤までに5三振、5回まで要所締める粘投も…
シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手が30日(日本時間31日)、敵地ブッシュ・スタジアムでのセントルイス・カージナルス戦に先発登板。6回2失点と好投したが、打線の援護なく5敗目(3勝)を喫した。
ナショナル・リーグ中地区首位で並ぶ2チームによる直接対決。3連戦の1戦目の先発を任されたダルビッシュは、ストライク先行のリズム良い投球で3回まで5三振を奪う力投。しかし、1点を先制した直後の4回にコントロールを乱す。先頭から連打で無死一、三塁とすると、その後2つの暴投を記録し1-1の同点とされた。
ダルビッシュは5回、この日3回に安打と盗塁を決められたトミー・エドマン内野手に右前安打を浴び、直後に再び盗塁を決められて2死二塁のピンチを迎える。しかし、ここでも後続の打者を三振に仕留めて無失点。要所を締める粘り強い投球で味方の援護を待った。
ダルビッシュの粘投に応えたいカブス打線だったが、この日はカージナルス先発のアダム・ウェインライト投手の前に5回まで3安打と奮わず。バイエズの適時打で1点を挙げるのがやっとだった。
緊迫した投手戦となった試合は6回に再び動く。カージナルスが2死満塁のピンチをしのぐと、その直後にダルビッシュが落とし穴にはまった。先頭のホセ・マルティネスは遊ゴロに打ち取ったものの、続く4番のポール・ゴールドシュミット内野手にはカウント1-1から内角いっぱい91.9マイル(約148キロ)のツーシームを捉えられ、打球は左中間スタンドに突き刺さる痛恨の勝ち越しソロ本塁打となってしまった。
ダルビッシュは7回に代打を送られ交代。この日は6回98球(ストライク67球)を投げ被安打6、無四球、奪三振9、失点2の内容で防御率は4.46となった。カブスはその後も同点に追い付くことができず、そのまま1-2で惜敗。カージナルスに1.0ゲーム差をつけられ単独2位に落ちた。またダルビッシュは、結局ゴールドシュミットに浴びた本塁打が決勝点となったことで今季5敗目を喫している。
地元シカゴメディアの『WGN9』によれば、カブスのジョー・マッドン監督は試合後、「ゴールドシュミットには打たれたくなかったが…」とがっくり。そして、決勝弾を浴びたダルビッシュは「ゴールドシュミットへの投球は良かったが、彼が優れていた。彼は怪物だよ」と脱帽した。
一方で、そのゴールドシュミットは「ダルビッシュに対してはあまり打てていなかった。ただ塁に出ることを考えていたが、本塁打は苦戦から脱するには十分すぎるね。悪かったことを忘れられるよ」と、試合前まで過去14打数1安打に抑えられていた右腕からの初本塁打に満足そうだった。
ダルビッシュは5試合連続で6イニング以上を投げ、その間3度目の無四球と制球力の良さが光っているだけに、勝ち星が伸びないのがもったいないところ。最近8試合で7試合目の一桁安打のカブスは、この日も6安打10残塁。指揮官も「もっと走者を還さなければ」と打線の奮起を促しており、2戦目以降の戦いでどんな攻撃を見せるか注目だ。