“完膚なきまでにやられた”菊池雄星、アストロズに4被弾で8敗目 優位性失う単調さも浮き彫り【雄星リポート第23戦】
シアトル・マリナーズの菊池雄星が2日(日本時間3日)、敵地のミニッツメード・パークのヒューストン・アストロズ戦に先発。4回を投げ、4本塁打を浴びて6失点でKOされた。菊池は23試合目にして8敗目。リーグ首位を突っ走る2017年王者に完膚なきまでにやられた。
2019/08/03
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逃げてはいないが…打たれた本塁打はどれも「完璧」
これがワールドチャンピオンに向けて、フルにアクセルを踏んだ強力打線の脅威と言っていいだろう。
トレード期限のギリギリになって、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからエースのザック・グレインキー投手、シカゴ・カブスから捕手のマーティン・マルドナードを獲得したアストロズ。頂点へ向けて一気呵成の相手に対し、23試合目の先発の菊池はまざまざと現実を見たに違いない。
始まりは1回裏の攻撃から垣間みた。
先頭のジョージ・スプリンガー外野手に対し、菊池はアウトコースに渾身のストレートを投げ込んだところ、やや甘く入るとセンター前に簡単に弾き返された。2番のホセ・アルトゥーべ内野手、3番マイケル・ブラットリー外野手、4番のアレックス・ブレグマン内野手は打ち取ったものの、簡単にはいきそうにもないスタートだった。
2回裏から集中砲火を浴びる。
先頭のヨーダン・アルバレス内野手に2球目のスライダーをセンターオーバーのソロ本塁打。完璧なスライダーを完璧に弾き返された。さらに2死後、走者一人を置いて9番のジェイク・マリズニック外野手には甘くなったストレートを左翼スタンドに放り込まれた。やや意図の見えにくいストレートだった。
3回裏は走者を許しながら無失点できり抜けたものの、4回裏には1死から7番のマルドナードに右翼スタンドに放り込まれて1失点。2死を取った後、1番のスプリンガーに右中間突破の三塁打。続く2番のアルトゥーべには左翼本塁打を食らった。ストレートがやや甘く入ったところを見逃さずに打たれた。
ホームランはどれも見事だった。
多少の失投と言えるボールであったとはいえ、これほど完璧に捉えられることもなかなかない。菊池は勝負を逃げたわけではなかったから、気持ち良く打たれたと言えるかもしれない。
とはいえ、この試合を先に結びつけていく価値あるものにしていくためには、もう一つのレベルアップが必要だ。失投をなくしていくことはもちろんだが、打者をどう打ち取るかのイメージは膨らませた方がいい。