「健康な状態が続くかはわからない」田中将大復帰戦好投も、消えぬ手術への懸念
復帰戦で田中は昨季前半を彷彿とさせる投球を見せた。しかし、米メディアの中では肘が完治していないのは事実であり、この先どこまで健康体を維持できるかどうかは不透明、という意見がある。
2015/06/05
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完全復活の快投も……
故障者リストから復帰した田中将大の3日のマリナーズ戦での快投には、辛辣な米メディアも掌を翻したように賛美の嵐だ。しかし、それでも慎重な姿勢を崩さないジャーナリストもいる。その1人が『FOXスポーツ』の名物記者ケン・ローゼンタルだ。「田中がこれからも活躍できるなら、ヤンキースはアリーグ東地区でトップを走れる」というタイトルでこのように報じている。
ローゼンタルも、この日の田中の投球自体は絶賛している。まずは制球が素晴らしく、その根拠に対戦した23人の打者中17人に対し初球ストライクで、78球中58球がストライクだったことをあげている。対戦相手のマリナーズのマイク・ズニーノ捕手によると、「4つの球種(ツーシーム、フォーシーム、スライダー、スプリット)すべての制球が良かった」と話す。
球威も戻っていた。この日の最速は96.5マイルで、しかもそれはカイル・シーガーを見逃しの三振に切って取ったこの日の最後の投球となる78球目だった。
しかし、それでもローゼンタルはこの日の好投が今後の手術の懸念を払しょくするものではないと見ているようだ。
No one knows how long Tanaka will last after missing more than a month with a right forearm strain and right wrist tendinitis. If he requires Tommy John surgery — a possibility at any point this season — his performance Wednesday will fall into the category of “never mind.”
右腕前腕と右手首の違和感で1カ月以上も戦列を離れていた田中が、これからどこまで健康な状態を維持できるかは誰にもわからない。もし彼がトミー・ジョン出術を受けることになれば、それが今季のどのタイミングであれ、彼の水曜日のパフォーマンスは「取るに足らない」という範疇に分類されてしまうだろう。
For one day, at least, Girardi and Co. could allow themselves to dream. Every start they get out of Tanaka will be a bonus in the flawed but fiercely contested AL East — and at this point, there is no turning back. The way the Tommy John calendar works, Tanaka will miss all of 2016 if he needs the surgery this late in the season, regardless of when it takes place.
少なくとも、この日だけは(ジョー・)ジラルディ(監督)とその仲間たちは夢を見ることができる。強豪ひしめくアリーグ東地区で戦っていくには田中が先発してくれる1試合ごとがボーナスだ。しかし、もはや後戻りできない。田中が今季この先トミー・ジョン手術を受けることになると、それがいつであれ、田中は2016年シーズンを失うことになる。