手術論を一蹴 「速球にキレ戻った」田中将大、復帰戦で満点快投
田中将大の復帰戦は完璧な投球内容だった。首脳陣の予想をいい意味で裏切り、田中の戦線復帰はヤンキースにとって非常に大きい。
2015/06/05
Getty Images
復帰2戦目以降の投球で結果を残せるか
ジョー・ジラルディ監督は試合後、「本当に、本当に良かった。いい仕事をしてくれた。すべての球が素晴らしかった」と手放しに賛辞を並べた。実際、この日の登板からは、昨年じん帯を部分損傷した右肘への不安は全く感じられなかった。むしろ、昨年7月の故障後からここまでで、最高の投球内容と言えた。
とはいえ、これで右肘への不安が完全に払拭されたかと言えば、答えはノーだ。自然治癒することのない田中の右肘じん帯は、今も軽微な損傷を抱えたまま。今回の離脱でさえも、前腕部の張りというのは、肘をかばって投げた時に出る典型的な兆候だ。
復帰戦は米メディアも総じて賛辞を並べているが、ひとたび打ち込まれたり、球速が落ちれば、その時は再び「手術」「手術」の大合唱が待ち受ける。
幸い、予備日が2日もあることから、次回登板は中6日で10日のナショナルズ戦が決定的。その次も中5日で16日のマーリンズ戦が濃厚だ。ヤンキースは先発投手5人制を維持する方針だが、試合日程の都合に助けられ、禁断の中4日は避けることができる。
この間にメジャーで先発ローテーションを回ることに再び体を慣らせて、肩、肘周辺の筋力を強化することが、当面できる最善の術だろう。田中の右肘はいつ悲鳴を挙げてもおかしくない。でもその時期を、遅らせることはできる。
シーズンはまだ100試合以上残っている。そしてヤンキースは、開幕投手を務めたエース・田中を欠きながらも地区首位に踏みとどまっている。昨年、立つことができなかったポストシーズンの舞台へ。チームとして目指すべき場所があるというモチベーションは、田中の大きな力になってくれるはずだ。
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