球速、制球力……ヤンキースのチームメイトが語る、田中将大好投の理由
4月23日以来となる復帰登板を完璧なピッチングで飾った田中。速球の球速、コマンド、そしてウイニングショットのスプリット。エースとして必要とされる全ての要素を兼ね備えた投球に各所から賛辞の声がやまない。
2015/06/05
Getty Images
低下していた速球が復活
エース復活の時だ。現地6月3日、敵地セーフコ・フィールドでのマリナーズ戦にヤンキースの田中将大が先発登板、7回を投げて被安打3、奪三振9、無四球の1失点と完璧なピッチングを見せた。極寒のデトロイトで先発した4月23日以来、およそ40日ぶりの復帰登板を完璧な形で飾った田中に米各メディアは称賛の嵐。地元紙『New York Post』は「巨大な違いが田中を去年までのエースに似せていた」として田中の好投の理由を検証している。
With a fastball in the mid-90s in his first start since April 23, this version of Tanaka was more like the original $175 million version at the start of last season.
4月23日以来初めての登板で田中の速球は90マイル半ばを記録していた。このバージョンの田中は(球速の出ていなかった春先の田中と比べて)より昨年の初めに見せた1億7500万ドルの投手の本来の姿に近いものだった。
昨シーズン終盤から今シーズン4月までの速球の平均球速は91mph(146km/h)前後、それに対して昨日の登板では速球の平均球速は93.8mph(150km/h)、7回裏にマリナーズの主軸打者カイル・シーガーを見逃し三振に仕留めた速球はこの日最速の95.8mph(154km/h)を記録した。この球速の違いが今回の好投の最大の理由だと見られている。ヤンキースの主砲マーク・テシェイラも記事中で田中の球速の上昇について言及している。
Teixeira said of throwing a few ticks higher on the radar gun, which gives Tanaka the ability to fire the four-seam fastball as well as his two-seamer. “For a hitter, it makes all the difference in the world. It keeps you honest.’’
テシェイラは球速が少し速くなったことがツーシームと同様にフォーシームの速球を投げ込む能力を与えたと語った。「打者にとってそれは大変な差になるんだ。正直なところを言うとね」
今年のこれまでの登板では結果を出してもツーシームを中心とした変化球主体の投球、好調時からの球速の低下などを理由に手放しでの称賛を受けることは少なかった田中。それだけに今回の登板の出来、特にその速球の復活はこれまでの米メディアの懸念を覆すものとなった。これが米各紙からここまで多くの称賛を受けている理由だろう。