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「現状に満足せず冷静に」田中将大の強み 圧巻のピッチングもすぐに「次」へ

現地時間3日、田中将大がマリナーズ戦で41日ぶりにメジャーで先発し、7回3安打1失点9奪三振の圧巻のピッチングで今季3勝目をあげた。

2015/06/06

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現状に満足することなくすぐに「次」を見据える

 復帰登板がほとんど文句の付けようのない、素晴らしい結果に終わってもまったく浮かれることなく田中の目はもう完全に「次」へと向けられていた。

 これは、そう簡単にできることではない。

 その後も田中は質問する側の興奮ぶりをどことなく制するように冷静な口調で「やはりマウンドに立ち続けることが大事ですし、今日1日が良かっただけではしょうがないと思うので。また次という感じです」と、まるで自分に言い聞かせるように何度も「次」と繰り返し、次戦のマウンドの重要性を口にしていた。
 
 どんなにパーフェクトピッチングをしたとしても、そこで満足し切ってしまったら次のステップは臨めなくなる。常に自分自身にテーマを課し、それを克服するために死に物狂いの努力と鍛錬を重ねてまい進する。
 田中が今も急速な進化を遂げているのは、いつも「次」のステージを追い続けているから――。
 そういうふうに考えると合点がいくような気がしてならない。

 これまで田中は楽天時代の最後の年となった2013年にレギュラーシーズン24連勝無敗というギネス級の金字塔を打ち立て、エースとしてチームを初の日本一へと導いた。

 ここから夢を求めて「次」を目指し、メジャー移籍を実現させてニューヨーク・ヤンキースへ――。昨年、シーズン中の7月に右ひじの部分断裂が発覚してPRP療法という保存療法での回復を狙い、トミー・ジョン手術は回避して現在に至っている。
 それでも現状で田中は復帰戦で周囲の不安を拭い去るような好投を見せ付けることに成功した。

 メディアの見方も覆し、それに満足することなく「次」を見据えてステップアップする。日本人メジャーリーガー・田中のストロングポイントはここにある。

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