両打ちとの対決も実現 新たな野球規則を作らせた両投げ投手、MLBデビュー
現地6月5日、ボストン・レッドソックス対オークランド・アスレチックス戦で、左右両投げの投手がデビューした。その名は、パット・ベンディット。メジャーの舞台では1995年以来のスイッチピッチャーが誕生した。
2015/06/07
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話題性ではなく、実力でメジャーデビュー
前夜の夜遅くニュースは急にやってきた。メジャー昇格のニュースを受け、試合当日の午前9時にナッシュビルから飛行機で移動。だがその飛行機に正常に機能できない箇所が見つかったため、出発は4時間遅れで午後1時に出発。ニューヨークに乗り継ぎ後やっとボストンに到着。空港からはタクシーを拾って、試合開始直前にフェンウェイパークに到着した。ベンディットも「気の狂うような24時間だったが、その価値はあった」と語った。
現地6月5日、ボストン・レッドソックス対オークランド・アスレチックス戦。
2-4の場面で、7回から登板したパット・ベンディットは両投げだ。この日がメジャー初登板となった。
最初の左打者ホルトに対して左投げでファーストゴロに打ち取った。次の右打者ラミレスを迎え、同じグローブを逆手に持ち変えて、右投げにするものの初安打を許す。だが続く右打者ナポリには右投げでセカンドゴロに仕留め、ダブルプレーで乗り切った。
8回も続投し、右打者ボガーツを右投げでショートゴロ、右打者ベッツにも右投げでライトフライに打ち取るツーアウト。
続いたのがキャッチャーのブレイク・スウィハート。彼は両打ちの打者であったため、両投げ対両打ちの対戦となった。ベンディットは右投げで対戦することを球審に申告し、右投げ対左打者となった。結果は空振り三振で打ち取り、2回を1安打無失点に抑えた。
メジャーリーグ史上3人目の両投げ投手の誕生は話題性がある。
だが、アスレチックスのボブ・メルビン監督は実力が伴っての昇格を強調した。『MLB.com』では以下のように報じている。
“It’s a little bit of a novelty and you’re curious to see if this is functional, and all he did in Spring Training is perform for us. He was doing the same thing in Triple-A. He’s here because of his performance. He deserves to be here. You can’t even fathom how somebody can do that. It’s tough enough to perform at this level throwing from one side, let alone two.”
「目新しさがあり、実際に機能するのか疑いを持つ人もいるだろうが、彼はキャンプでは良い結果しか残さなかった。結果は3Aでも同じだった。ここにいるのは成績を残しているからだ。この舞台にふさわしい。どのようにして実行できているのか推測すらできない。メジャーでは左右どちらかでも結果を残していくのは難しいが、両手となるとさらに難しい」