メジャーリーグのスカウトになりたい。日米の独立リーグを経験した22歳がロサンゼルスで挑戦中【インタビュー】
2019/08/23
角谷剛
スミス氏を頼って再渡米
現役選手としては限界を感じた臼井氏だが、それでも米国野球に関わっていきたいという気持ちは大きかった。特にスカウトリーグや独立リーグでの試合で、ネット裏に陣取るスカウトたちの姿は強く印象に残っていた。
メジャーリーグのスカウトになりたい。そう思い立ってはみても、何のコネも実績もない臼井氏にチャンスを与えてくれているのが、現在はロサンゼルスで野球教室を営む、元メジャーリーガーのレジー・スミス氏だ。スミス氏はMLBオールスターに7回選出され、スイッチヒッターとしては歴代5位の通算314本塁打の記録をもつレジェンドだ。キャリアの晩年に読売ジャイアンツでもプレイしたことで日本でもよく知られている。
たまたまではあるが、臼井氏はスミス氏が経営する「レジースミス・ベースボール・アカデミー」の日本校に中学生の頃から通っていた。スミス氏と親しい日本校代表の滝口博之氏からの紹介を得て、臼井氏はスカウト修行を目的にロサンゼルスへ再渡米する。
臼井氏のロサンゼルスでの活動は手探りの連続だ。レジースミス・ベースボール・アカデミーに加えてMLB直営の野球教室「MLB Urban Youth Academy」でそれぞれ週に数回ずつ指導アシスタントを務め、空いた時間は「ショーケース」と呼ばれるアマチュア野球のイベントに足を運ぶ。そうした場所では、集まったMLBのスカウトたちの輪に積極的に飛び込み、勉強と人脈作りに余念がない。