メジャーリーグのスカウトになりたい。日米の独立リーグを経験した22歳がロサンゼルスで挑戦中【インタビュー】
2019/08/23
角谷剛
当面の目標はドジャースから職を得ること
スミス氏からの紹介があるときも、全くの初対面のときもある。独立リーグ時代は英語があまり話せなかったという臼井氏にとっては、それはけっして容易なことではない。加えて、生活費の高い米国での滞在は経済的にも負担が大きい。お世辞にも治安が良いとは言えないロサンゼルス都市部ならではのトラブルも容赦なく降りかかってくる。
「あまり美味しいものは食べられません(笑)。それなのに、ついこの前も家賃を払うために引き出した現金が入った財布を盗まれてしまって」
日本にいればそんな苦労はしなくても、野球に関わる仕事を探すことは出来るのでは? そもそも現役選手を諦めるには若すぎませんか? 不躾な筆者の問いに、臼井氏は笑顔を絶やさず、こう答えてくれた。
「最初は日本でプロ野球を目指して、次に米国で野球をすることに決めて、それがダメだったから、また日本ってわけにはいきません。元々、大学に行っていたと思って、4年間頑張って上に行けなかったら、別の道を探すつもりでしたし。野球選手としては満足のいく終わり方ではないですけど。野球は趣味として続けていきます」
臼井氏の当面の目標は今シーズンオフ中にロサンゼルス・ドジャースから何かしらの職を得ることだ。決して平坦ではない道を自らの意思で歩む臼井氏の前途に幸運が開けることを祈らずにはいられない。
角谷剛