74歳でも週7で野球指導中。元巨人レジー・スミス氏が語る“日本人”「特に江川と堀内は良いピッチャーだった」【インタビュー】
2019/08/26
角谷剛
巨人でもプレーしたスミス氏
1995年に野茂英雄氏がアメリカに渡る前はMLBとNPBの間の人的交流は一方通行だった。米国人の多くは1人のNPB選手も見たことがなく、日本人の多くは「助っ人」でやって来る外国人選手を通してのみMLBを知っていた。
野茂氏が全てを変えたわけだが、その直前の1990年代前半に人気を博した『REGGIE』(レジー)と言う漫画がある。現役バリバリの(だが前シーズンは故障による不調で解雇)MLBスラッガーが日本にやってきて、野球文化の違いから生じる様々な障壁を乗り越えていくというストーリーで、いわゆる「ガイジン」の目で日本社会を風刺した内容でもあった。
原作者のGUY JEANSことロバート・ホワイティング氏はハリウッド映画「ミスター・ベースボール」はこの『REGGIE』(レジー)が原案だったとも著書の中で主張している。
その『REGGIE』(レジー)のモデルと目されるのが、レジー・スミス氏だ。スミス氏はMLBでスイッチヒッター歴代5位となる314本塁打を放ち、オールスターに7回選出されるなどの輝かしいキャリアの最晩年に日本にやってきて、読売ジャイアンツで1983、1984年の2シーズンを過ごしている。
氏は現役引退後、ロサンゼルス・ドジャースやWBC米国代表の打撃コーチを歴任するなど指導者としても活躍し、現在はロサンゼルスで青少年相手の野球教室「レジー・スミス・ベースボール・アカデミー」を主宰している。
小学生から大学生まで、幅広い年代の野球少年が集うこの野球教室でスミス氏に話を聞いた。その日は高校生や大学生の個人指導が行われていて、インタビューはバッティング・ケージ前のベンチに腰掛けて、練習生のバッティングを見守りながらの形になった。