“投”で魅せるレイズの二刀流マッケイ、先発ローテの貴重な一員として奮闘中 PO進出争いのカギ握る
2019/09/08
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9度目のメジャー登板、不運な三塁打以外は“パーフェクト”
タンパベイ・レイズの二刀流選手ブレンダン・マッケイが6日(日本時間7日)、本拠地トロピカナ・フィールドで行われたトロント・ブルージェイズ戦に先発登板し、4回途中無失点だった。
マッケイは、6月29日(同30日)にメジャー初昇格を果たした同日のテキサス・レンジャーズ戦で6回1被安打無失点の衝撃的なデビューを飾った。
その後は3Aとメジャー間の降格、再昇格を4回繰り返し、この日が9回目の先発登板となった。この日までのマッケイのメジャー成績は2勝3敗、防御率5.55とあまり振るわないでいたが、3Aでは3勝0敗、防御率0.84の圧倒的な成績を残している。
直近の3Aでの登板は8月31日(同9月1日)で、そこでも3回を投げて無失点8奪三振と、4度目の再昇格に向けて調子は万全だと思われた。そして8月19日(同20日)以来、18日ぶりのメジャーでの登板となったマッケイは期待に背かない好投を見せた。
初回、ブルージェイズの1、2番を連続三振に仕留めたものの、3番ランドル・グリチック外野手に対しては右翼手が飛球の目測を誤り、ボールに触ることが出来ず不運な三塁打に。それでもマッケイはいつもの無表情を崩さず、4番のブラディミール・ゲレーロJr.内野手を三ゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。
直後に味方打線から先制の1点をプレゼントされたマッケイは、2回以降も3三振を含む2イニング連続3者凡退と淡々と危なげないピッチングを続ける。
8月後半には肩の疲れを訴えて3Aで7日間の故障者リスト(IL)入りをしたマッケイだが、どうやらその休養がプラスに働いたようだ。最速96マイル(約155キロ)の速球をベースにキレのあるカーブを織り交ぜて、コーナーに投げ分ける正確なコントロールでブルージェイズ打線を完璧に抑え込んだ。
4回も先頭から2者連続三振を奪ったマッケイだったが、最後のストライク判定を巡ってブルージェイズのチャーリー・モントーヨ監督が退場処分を受ける騒ぎが起こると、レイズのキャッシュマン監督はマッケイをマウンドから降ろした。
最終的にマッケイのこの日の成績は3回2/3を無失点。投じた59球のうちストライクは36球。11個のアウトのうち三振は7個と、初回の不運な三塁打がなければ“パーフェクト”という内容だった。
試合はレイズが5投手の継投でブルージェイズに得点を許さず5-0で勝利。今季レイズ投手陣の零封は11試合目となっている。
クリーブランド・インディアンス、オークランド・アスレチックスと3つ巴の接戦を演じているレイズは、この日の勝利でアメリカン・リーグのワイルドカード枠争いのトップに立った。とはいえ、6日終了時点で1位レイズと2位アスレチックスとの差は1.0ゲーム、アスレチックスと3位インディアンスととの差は0.5ゲームと僅差だ。
2013年以来6年振りとなるワイルドカード進出を目指すレイズにとって、1試合もおろそかにできない重要な試合が続く。7月にIL入りした昨季のサイ・ヤング賞投手のブレイク・スネル投手の復帰の時期は近いと思われるが、正確には未定だ。
メジャー昇格後は先発投手に専念し二刀流は封印した形になっているマッケイだが、プレーオフ進出へ向けた貴重な先発ローテーションの一員としてチーム内での役割は大きい。