シーズン終盤の伸びはもはや“伝統”。アスレチックスが2年連続のWC枠獲得へ、金満球団を抑える「マネー・ボール」
2019/09/12
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低年俸でも強い3チームの争い
アスレチックスと言えば、セイバーメトリクスと呼ばれる統計学的手法を用いて、選手の年俸を低く抑えながらも勝利を目指す戦略で知られている。
米国大手紙『USA Today』によれば、アスレチックスの今シーズンの年俸総額は30チーム中23位で、シカゴ・カブスやニューヨーク・ヤンキーズの半分以下だ。興味深いことに、ア・リーグのワイルドカード枠を争うレイズは同30位、インディアンスも同16位と、どちらも同じように年俸総額は低い。
さらに経済専門誌『フォーブス』の試算によれば、チームの資産価値もインディアンスが25位、アスレチックスが26位、レイズが29位と軒並みリーグの最低に近い位置にある。
ワイルドカード枠争いでこの3チームにゲーム差で大きく引き離されているのが、ボストン・レッドソックス(ゲーム差10.0、資産価値3位)、テキサス・レンジャーズ(ゲーム差13.5、資産価値13位)、そしてロサンゼルス・エンゼルス(ゲーム差19.5、資産価値8位)という金満球団が続くことは特筆すべき現象と言えるだろう。
2019年のレギュラーシーズンはあと2週間余りを残すだけとなった。ア・リーグはどの地区も首位のチーム(東地区:ヤンキース、中地区:ミネソタ・ツインズ、西地区:ヒューストン・アストロズ)が2位以下を大きく引き離している。だが、それぞれの地区で2位にあり、そして金銭的に恵まれているとは言い難いという共通点を持つこの3チーム、レイズ、インディアンス、アスレチックスのプレーオフ進出をかけた熾烈なワイルドカード争いから目を離せない。
角谷剛