9.11を忘れないために。大活躍の新人ピーター・アロンゾがチーム全員に特製シューズを自腹で用意「ただ彼らの勇気を称えたいだけ」
2019/09/13
Getty Images
アロンソは当時6歳
国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)による米同時多発攻撃から18年を迎えた11日、攻撃の標的となった世界貿易センタービルから最も近いMLB球場であるシティ・フィールドでニューヨーク・メッツ対アリゾナ・ダイヤモンドバックス戦が行われた。その試合において、メッツの選手全員が特別にデザインされたシューズを履いて出場した。米国国旗を象徴する赤、白、青の色を使い、「我々は絶対に忘れない」(“We will never forget”) の文字が書かれた特製シューズはメッツの新人ピーター・アロンゾ内野手がチーム全員のために用意したものだ。
試合前の国家斉唱ではメッツのミッキー・キャラウェイ監督と選手たちはニューヨーク市警(NYPD)の警官たちと肩を並べた。そのときに選手たちがかぶっていた帽子にはチームのロゴではなく、“NYPD”や“FDNY”(ニューヨーク市消防署)の文字が書かれていた。だが、MLBのルールでは選手たちは試合中にその帽子をかぶることは許されなかった。
アロンゾが考えたのは、帽子ではなくシューズならこのルールを回避できるのではないか、ということだ。アロンゾは3週間も前から選手1人1人にシューズのサイズを聞いて回り、この日のための準備をした。特注にかかった費用も全額アロンゾが負担した。
アロンゾはフロリダ州タンパ出身の24歳。9.11が起きたときはまだ6歳だった。普段はとても明るい両親がショックを受けたことをよく覚えている。
「ニューヨークに住むようになって、色々な人に出会って、毎日のようにあの日の傷跡を目にしている。 普通の人たちが信じられないほど勇敢に救助を行った。彼らは本当の意味でヒーローだ。ぼくはただ彼らの勇気を称えたいだけだ。犠牲になった人たち、救助に身を挺した人たち、全員のために」とアロンゾは語った。