エンゼルス、オースマス監督を解任 大谷翔平の打者起用に尽力。後任に前カブス監督のマッドン氏か
2019/10/01
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エプラーGMは留任へ。大谷&トラウトとの契約に貢献、今オフはコール狙う
ロサンゼルス・エンゼルスが、今季から就任したブラッド・オースマス監督を解任したことを発表した。米公式サイト『MLB.com』が30日(日本時間10月1日)、伝えている。
オースマス氏は、エンゼルスのGM特別補佐を経て今季から監督に就任。1年目で72勝90敗と大きく負け越し。チームとして20年ぶりに90敗を喫するという屈辱となった。なお、2000年から2018年まで指揮を執った前任のマイク・ソーシア氏は最大でも88敗(2016年)となっている。
同サイトによると、現在50歳のオースマス氏はさらに2年の契約を残していたが、球団が解任を決断。それに伴って、新監督としてシカゴ・カブスで今季まで指揮を執って退任が発表されたジョー・マッドン氏を招聘する可能性が浮上している。
現在65歳のマッドン氏は、1996年から現役時代を過ごしたエンゼルスのコーチに就任。ソーシア元監督の下、コーチを2005年まで務め上げ、スカウトや打撃インストラクターも含めてエンゼルスに在籍した期間は31年間にも及ぶ。
エンゼルスのコーチを退任後は2006年にタンパベイ・デビルレイズ(現・レイズ)の監督に就任し、2008年には球団史上初のアメリカン・リーグ優勝に導くなど2度の地区優勝を成し遂げた。カブスでも2016年のワールドシリーズ制覇を含め2度の地区優勝、4度のポストシーズン進出に導くなど名将ぶりを見せた。
エンゼルスのビリー・エプラーGMはオースマス氏について「過去2シーズンに渡って特別アシスタントと監督として球団に熱意を持って献身的に働いてくれたことに感謝している」と述べ、「非常に難しい決定だった。しかし十分に検討した結果、別の方向に進む必要があると判断した」と話している。
オースマス監督は、大谷翔平選手の起用にも尽力。大谷は昨年に右肘を手術し、今季は打者専念という形にはなったが、長いリハビリ期間を支えるとともに、復帰の時期を図りながら体調面を考慮し指名打者として起用し続けた。来季以降は「二刀流」の起用にも注目が集まっていたが、それは実現することはなかった。
また同サイトは、関係者の話からエプラー氏が引き続きGMを務めることになるとも伝えている。同氏が2016年に就任して以降、チームは勝率5割以上でシーズンを終えたことはないが、同サイトは同氏が傘下のファームシステムを改善したことや、大谷との契約、トラウトと12年総額4億2650万ドル(約460億円)の大型契約を結んだことを紹介している。
監督解任という選択をしたエンゼルスだが、同サイトによると、このオフは投手の獲得へ力を入れるだろうと言及。その中でもエンゼルスが本拠地を置くカリフォルニア州オレンジカウンティ出身のゲリット・コール投手(ヒューストン・アストロズ)が最大のターゲットとなり、フリーエージェント(FA)で獲得を目論んでいるという。
エンゼルスは今季、先発投手のチーム防御率が5.64とメジャー30球団中29位と大きく苦しんだ。それだけに、今季20勝(5敗)、防御率2.50と活躍しアストロズの地区優勝に貢献したコールの力が加わえ、投手力アップを見込みたいところだ。