22歳の怪童がバント!? 復帰2戦目でステージを上げた、田中将大の凄味
長期離脱後、最も大事とされる復帰2戦目を最高の形で飾った田中将大。今の投球であるならば、間違いなく白星を積み上げることになるだろう。
2015/06/13
Getty Images
実力ある投打二人に勝った田中
田中も「シャーザーが相手だったので、なかなか点を取るのは難しいと思っていました。なので、自分がしっかりと粘ってゼロに抑えていこうと考えていました」と振り返っている。
ともに5月の月間MVPを受賞した、実力だけでなく絶好調の投打の2人。そこにがっぷり四つで当たり、しっかり投げ勝ったのだ。
復帰初戦だった3日のマリナーズ戦に続き、90球前後の球数制限がある中で7回を投げ抜いたことも大きい。この日は87球。無駄な球数を減らせば、試合をつくっていく中で、右腕へのダメージを最小限に抑えることができる。
ヤンキースの先発ローテーションでは、昨年4月にトミー・ジョン手術を受けたイバン・ノバの復帰が間近に迫っている。ジョー・ジラルディ監督は、その後の先発投手6人制の可能性も示唆している。
「先発ローテーションを健康的に保つことは難しい。ただノバには早く戻ってきてほしいし、全員にいい投球をしてほしい。誰かを先発から外すとなると、難しい決断になるね」と米メディアの取材に答えている。
ノバが加わり先発投手の駒が増えれば、中4日を連続で強いられる過酷な日程は回避できる。今回の田中の登板を中6日から中5日に前倒しして、登板過多のマイケル・ピネダの登板を1回飛ばしたように、状況に応じて休ませることも可能だ。
先発投手の起用法に幅が広がることは、右肘に不安を抱える田中にとっても歓迎すべきことだろう。そして、肘さえ悲鳴を挙げなければ、メジャーでも屈指の投手であることをマウンドで実証した。
あとはヤンキース首脳陣のヘルスコントロールにかかってくる。今の田中の投球は、間違いなくメジャーで通用する。
ステージを一段も二段も上げる、圧巻の今季4勝目だった。
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