イチローとの初対決で完敗も 田中将大が備えるエースの条件
現地時間15日(日本時間16日)、敵地マーリンズ・パークで田中将大が復帰3戦目のマウンドに上がった。イチローが先発出場したことで注目の初対決は4打席見ることができ、イチローが2安打。チームも敗戦したが田中はヤンキース入団後初の3試合連続ハイクオリティスタートを達成した。
2015/06/17
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イチローとの初対決は完敗
日本中の野球ファンが注目した初対決は、わずかに先輩に軍配が上がった。マーリンズ・イチローと、ヤンキース・田中将大の公式戦初対決が、15日に実現。イチローは2安打をマークし、田中は敗戦投手となり2敗目を喫した。
とはいえ、結果以上に強調されたのは、田中の「ゲームメーク力」だった。7回を投げ抜き、9安打されながら、終わってみれば2失点。黒星が付いたのは、多分に打線の援護がなかったからだ。
イチローにも2安打されながら、得点には一切絡ませなかった。
まずは初回1死。甘く真ん中に入った93マイル(約150km)のフォーシームを完璧に捉えられ、一、二塁間を真っ二つに破られた。その後、スタントンにも安打され2死一、三塁とされたが、先制点は許さなかった。
続く対戦は3回先頭。今度は外に沈むツーシームを引っ掛けられ、二塁内野安打で2打席連続で出塁を許した。次打者のイエリッチにも中前打で続かれ無死一、二塁にピンチを広げたが、4番スタントンを今度はスライダーで遊ゴロ併殺。イチローにはその間に三塁に進まれたが、後続を仕留めこの回も無失点とした。
なおイチローはこの時点でメジャー通算2884安打。歴代38位のザック・ウィートに並んでいる。
「2安打されたわけですから。僕の完敗です」
大リーグ公式サイトによれば、潔く完敗を認めたという田中。それでも走者を背負って迎えた以降の2打席はイチローを封じ込めた。
5回1死一塁では、この日最速95マイル(約153km)のフォーシームで見逃し三振。外角球を狙ったものが、逆球気味に内寄りへ入ったが、イチローの意表も突いたようだ。
7回2死二塁は初球から2球連続低めにスプリットを続け、遊ゴロに打ち取った。1ボールと浅いカウントから、イチローが誘い出された格好。結果的にこの打席が、この日の田中の最後の打者となり、94球で先発投手として最低限とされる7回を投げ終えた。