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イチローとの初対決で完敗も 田中将大が備えるエースの条件

現地時間15日(日本時間16日)、敵地マーリンズ・パークで田中将大が復帰3戦目のマウンドに上がった。イチローが先発出場したことで注目の初対決は4打席見ることができ、イチローが2安打。チームも敗戦したが田中はヤンキース入団後初の3試合連続ハイクオリティスタートを達成した。

2015/06/17

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敗戦の責任を背負うも3試合連続ハイクオリティスタート

 沈んだ表情でチームの敗戦の責任を背負い込んだ田中だが、これで右手首の腱鞘炎と右前腕部の張りによるDLから復帰後、3試合連続で7回以上を投げて2失点以下。先発投手が6回以上を投げて自責点3以内に抑えればクオリティースタート。7回以上で自責点2以内ならばハイクオリティースタートとされる。田中の3試合連続ハイクオリティースタートは、実はメジャー移籍後初めて。右肘じん帯を損傷する前の、昨年開幕直後の連勝街道の時でさえ、記録できなかったものだ。

 この投球内容を称えたのはヤンキースのジョー・ジラルディ監督だ。3回までに6安打を浴びながら、そこは最少失点でこらえ、4~6回は三者凡退と立て直した。

 「立ち上がりはたくさん安打を許したが、しっかりと落ち着いた。素晴らしい立て直しだ。そこが彼の良さだ」

 長いシーズンで見れば、援護に恵まれないこともあるだろう。それでもメジャーでエース投手として先発ローテーションを守っていく以上、最も必要とされるのが、試合をつくる能力。指揮官はそのことを十分に分かっている。
 イチローも敵として初めて対峙し、あらためてその修正力、適応力を感じ入ったに違いない。昨年は同じピンストライプに袖を通し、外野の守備位置から、時にはダグアウトから、田中の投球を見詰めてきた。

 失点は最少でしのぎ、ピンチでギアを入れ替える。これこそが、楽天最終年の13年に24連勝でシーズンを終えた田中の極意。

 この日の2失点は、いずれも7番打者のディートリッヒが絡んだ。2回1死から二塁打で出塁され、後続の安打で同点の生還を許した。7回先頭では右越えソロを浴びた。
 12日にマイナーから昇格したばかりの25歳。この日が今季初スタメンの完全な伏兵だった。ギアの上げ下げでいえば、下げて迎える相手。失点した相手にも、田中の投球スタイルがよく表れていた。

 敗れはしたが、最終的に示されたのは、田中が持つエースとしての資質。南国マイアミで、イチローという大先輩をフィルターとして、その価値感があらためて浮き彫りにされた。

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