カージナルスに前代未聞のハッキング容疑 犯行理由はライバルチームGMへの私怨か?
セントルイス・カージナルスがヒューストン・アストロズのデータベースにハッキングをかけた容疑でFBIの捜査を受けている。犯行理由としてはアストロズGMジェフ・ルーノウ氏への私怨という説が上がっている。
2015/06/18
Getty Images
11度の世界一を成し遂げた名門球団のスキャンダル
MLB屈指の強豪球団にまさかのスキャンダルだ。現地16日、米紙『The New York Times』はナリーグ中地区で首位を走るセントルイス・カージナルスが、アリーグ西地区首位のヒューストン・アストロズにハッキングをかけた容疑でFBIの捜査を受けていると報道。アメリカでは、大きな騒動となっている。
Investigators have uncovered evidence that Cardinals employees broke into a network of the Astros that housed special databases the team had built, law enforcement officials said.
チームが構築した特別なデータベースが収められているアストロズのネットワークに、カージナルス関係者が侵入したという証拠を調査者が見つけた、と執行当局は述べている。
アストロズのデータベースから盗まれたとされているのは、球団内部データの選手のスカウティングレポートやトレード戦略などチーム戦略の根幹に関わるデータだとされている。しかしなぜカージナルスはアストロズをハッキング対象に選んだのだろうか。
カージナルスといえばヤンキースに次ぐ11度の世界一を成し遂げた名門球団。2000年以降9度ナリーグチャンピオンシップに出場、今季も43勝21敗と30球団最高の成績を残している。選手育成のノウハウ、ファームシステムについても高く評価されており、近年最も成功しているMLB球団の誉れが高い。
一方のアストロズは今年こそ貯金10を記録しアリーグ西地区の首位に立っているものの、2011年から2013年までは3年連続で100敗を喫しており、いまだに弱小球団としての認識は根強い。2012年までは同じナリーグ中地区だったもののアストロズがアリーグ西地区に移動したため同一リーグのライバルという共通点もなくなっている。こうした面だけを見るとカージナルス側にハッキングするメリットはない。カージナルスがハッキングという犯罪行為に及んだ理由、そこにはアストロズのGMジェフ・ルーノウが大きく関係しているという見方が強いようだ。