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カージナルスに前代未聞のハッキング容疑 犯行理由はライバルチームGMへの私怨か?

セントルイス・カージナルスがヒューストン・アストロズのデータベースにハッキングをかけた容疑でFBIの捜査を受けている。犯行理由としてはアストロズGMジェフ・ルーノウ氏への私怨という説が上がっている。

2015/06/18

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Getty Images



GMルーノウへの妬みや恨みか

Law enforcement officials believe the hacking was executed by vengeful front-office employees for the Cardinals hoping to wreak havoc on the work of Jeff Luhnow, the Astros’ general manager,
執行当局は、ハッキングはカージナルスのためにジェフ・ルーノウ氏の仕事をめちゃくちゃにしてやりたいと考える執念深いフロントオフィスの従業員によって実行されたと見ている。

 現在アストロズでGMを務めているルーノウは2011年まではカージナルスに在籍。現在の主力となっている選手の多くをドラフトで獲得したほか、「レッドバード」と呼ばれるスカウティングレポートといった野球に関連する全ての運営情報を入れたコンピューターシステムを作成し、多くの功績を残した。今回の件は、そうしたルーノウの卓越した手腕を羨む、もしくはアストロズへ移籍したことを恨んだカージナルス関係者の犯行ではないかと見られている。

 アメリカの『Yahoo!Sports』の名物記者ジェフ・パッサンは「もしこれがくすくす笑いのために他のチームのデータベースを引っ掻き回すしょうもないアナリストによる犯行だとしたらカージナルスにとっては大恥だろう」と述べているほか、カージナルス関係者の1人は「(GMである)モゼリアックの関与は絶対にない」と明言しており、どの立場の人間による犯行かという点も今後大きな注目を集めそうだ。

 ルーノウ側にも落ち度がないとは言えない。アストロズに移籍後、「グラウンドコントロール」という「レッドバード」と酷似したシステムを作成、運用していたが、カージナルス時代に使用していたパスワードを「グラウンドコントロール」にも使用していたことがみすみす今回のハッキングを許してしまった原因となった。これを受けてブルージェイズ他複数球団は自球団のセキュリティー強化を行ったという。

 事件としては未だ捜査中のものの、カージナルス側からハッキングがあったこと自体は疑いようがないとされており、なんらかの制裁が下されることは間違いない。また、昨年イチローやスタントンのトレード話を含む複数のアストロズの極秘事情が匿名でリークされた事件にもカージナルスが関わっているのではないかという疑惑もあり、さらなる余罪が見つかる可能性もある。

 プロスポーツチームがライバルチームのコンピューターにハッキングをかけ情報を盗んだのは野球に限らず、アメリカのプロスポーツ全体でも初の事件。「ただ一つの本当に素晴らしいチーム」と称賛される名門球団からのまさかのスキャンダルは、しばらくアメリカ中の注目を集めることとなりそうだ。

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出典:St. Louis Cardinals Are Said to Have Breached Rival’s Database by MICHAEL S. SCHMIDT in The New York Times on Jun.16

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