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ワールドシリーズで如実に表れた米国の“野球離れ”。メディアも非情の無視…国民の興味が希薄になるワケ

2019/10/28

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「長すぎる」試合時間。「ワールドシリーズ」の名称にも疑問符

 そして、野球というスポーツは基本的に試合時間が長い。攻守の入れ替えでイニング間に試合が途切れるものの、その時間も含めて試合時間は4時間前後(中には2時間台の試合もあるが)。実際、今ワールドシリーズの第1戦は3時間43分、第2戦は4時間1分、第3戦は4時間3分、そして第4戦は3時間48分だった。時間制限も、イニングの制限もないスポーツが野球だ。
 
 それに比べ、アメリカンフットボール(NFL)は4Q計60分、バスケットボール(NBA)は4Q計48分と時間制限があるだけに、1試合が約4時間もかかるスポーツの試合は人にとっては退屈に映る場合がある。同紙は、これについて「(野球は)時間がかかりすぎ。東部時間では深夜0時に終了する」としながら、「これは問題の一つ」だと述べている。
 
 また、メジャーリーグの世界一を決める戦いは「ワールドシリーズ」と名付けられいるが、その名称にも疑問符が挙がった。「メジャーリーグは『地域同士の戦い』のようなものになっているため、“2019年のワールドシリーズ”という響きは奇妙で不適切」と指摘している。
 
 そのワールドシリーズは残すところ最大であと3試合。きょうの第5戦はアストロズのゲリット・コール投手とナショナルズのマックス・シャーザー投手というメジャー屈指の剛腕によるシリーズ2度目の顔合わせが期待されたが、シャーザーが背中と首の痙攣によって直前で先発登板を回避した。
 
 それでも、両チームにとって制覇へ王手が懸る大事な試合で、ナショナルズがコールにどう立ち向かうかが見どころの1つであることは間違いない。しかし、同紙はこの一戦に対しても「クラブハウスのテレビには(NFLの)ニューイングランド・ペイトリオッツ対クリーブランド・ブラウンズの試合が映っていると確信している」と、MLB<NFLである現状を表現した。
 
 米国を代表するプロスポーツの中でも、野球、すなわち「ベースボール」がアメリカンフットボール、バスケットボールから一歩も二歩も引き離されていることは残念で寂しい限りだ。
 
 しかし、野球には野球の魅力があるはず。幸いにも今年のワールドシリーズは少なくとも第6戦まで続く激戦となっている。その一投一打に注目しながら、熱を帯びた空気を肌で感じ、魅了される人が1人でも多く生まれることを期待したい。

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