WSで史上初の珍事「本当に奇妙」第6戦まで本拠地勝利なし ナショナルズVSアストロズは最終戦へ
2019/10/30
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ナショナルズが執念の勝利!アストロズはバーランダーが再び負け投手に
ワシントン・ナショナルズが29日(日本時間30日)、敵地ミニッツメイド・パークでのワールドシリーズ第6戦でヒューストン・アストロズに7-2で勝利。シリーズ成績を3勝3敗のタイに戻し、球団史上初の世界一へ逆王手とした。
負けたら終わりの一戦。先発のマウンドを託されたスティーブン・ストラスバーグ投手は、1点を先制した初回に2失点し逆転を許したが、2回以降は本来の投球を取り戻し、アストロズのスコアボードに「0」を刻み続ける。
5回に味方打線が逆転に成功すると、7回と9回には主砲のアンソニー・レンドーン内野手がそれぞれ2ラン本塁打と2点適時二塁打を放ってダメ押し。ストラスバーグは5点のリードをもらって迎えた9回も続投し、アウトを1つ取って交代した。
ストラスバーグはこの大一番で8回1/3、104球(ストライク65球)を投げて被安打5、与四球2、奪三振7、失点2の熱投でチームの勝利に大きく貢献。シリーズは最終第7戦までもつれ込み、ナショナルズとしては球団史上初のワールドシリーズ制覇へ逆王手とした。
ワールドシリーズで第6戦まで両チームが本拠地で勝利を挙げられなかったのはメジャー史上初の出来事。米公式サイト『MLB.com』によれば、ナショナルズのデーブ・マルティネス監督も「本当に奇妙だ」とコメントしている。
また、この日3安打5打点の活躍を見せたレンドーンはストラスバーグについて「ストラスは“ストラスの仕事”をしたよ。幸運にも彼を長いイニング見ることができた」と、今ポストシーズン5勝目となったその快投ぶりに驚きを隠せない。
一方のアストロズは、エース右腕の一角ジャスティン・バーランダー投手をマウンドに送ったが、5回の1イニングに2本塁打を浴びるなど5回3失点で降板。またもワールドシリーズで勝利投手になることはできず、これでキャリア通算で0勝6敗となった。
アストロズのA.J.ヒンチ監督はバーランダーについて「ガソリンを使い果たした」とコメント。「彼はほとんどのイニングで2人の走者を許すなど多くのハードイニングがあった。1イニングあたり約20球を放っており、大きなストレスを持ちながらの投球だった」と振り返っている。
互いのエース級が顔を合わせた第6戦はナショナルズに軍配が上がった。運命が決まるあすの最終第7戦は、ナショナルズが第5戦で登板を回避したマックス・シャーザー投手、アストロズは第3戦で5回途中1失点だったザック・グレインキー投手が先発する。初優勝か、2年ぶりの栄冠か、2019年シーズンの最後を締めくくる試合に大きな注目が集まる。