マーリンズでプレーするイチローから笑顔が絶えない理由
マーリンズがイチローとの契約延長を検討しているようだ。攻守にわたる献身的なプレーはもちろんのこと、若い選手のお手本になっている生きたレジェンドの存在は、球団にとっても非常に大きなものになっている。
2015/06/20
Getty Images
イチローを評価する球団
マーリンズがイチローとの契約延長を検討していることがわかった。ダン・ジェニングス監督が17日(日本時間18日)のヤンキース戦の試合前会見で「球団内で話し合いがなされている」と明かしたもので、あらためてマーリンズの背番号51に対する評価の高さが鮮明になった格好だ。
今季年俸200万ドルのイチローとマーリンズの契約は1年。
シーズン折り返しを前に〝第4の外野手〟である41歳のベテランへ再契約の方向性を示すのは異例のことと言っていいだろう。
ここまで控え扱いではありながらも外野の全ポジションで出場し、走好守にわたって技術の高さを見せ続けている。球団側がイチローを評価するのはまだまだ健在のハイレベルなプレー面もさることながら、平均年齢27歳の若いチームメイトにとって存在自体が良きお手本となっていることも大きなポイントとしてある。
それはマーリンズの試合前の練習風景を見ていても、よくわかる。
たとえてクローズアップするならば、フリー打撃のシーン。イチローが打撃ケージに入ろうとすると、早々と入場したスタンドのファンだけではなく周りにいる自軍選手のほとんども釘付けになる。
芸術的なスイングはもちろん、そこに至るまでのアプローチもそうだ。
いかにしてバットを握り、構え、ボールをミートするか――。ジッと見入るチームメイトたちにとって、こうしたイチローのひとつひとつの動きは教科書のようなものなのであろう。マイアミの地元メディアの間で掛け値なしに「イチロー・イズ・ロールモデル」と評されていることが、とてもよくわかる光景と言える。