いまだ一線級の活躍 全米を驚かしつづけてきたイチロー
2001年4月2日にマリナーズでメジャーデビューしたイチロー選手、14年経った今も、マーリンズで41歳のベテラン選手としてまだまだその活躍は続く。
2015/06/21
Getty Images
全米を驚かせた電撃移籍
2012年7月23日。ヤンキースがシアトルとの3連戦のためにセーフコ・フィールドを訪れた。ヤンキースはこのシリーズで2勝1敗だったが、この遠征中、シアトル・マリナーズの重大な「顔」も手に入れたのであった。すでにベテラン・ライトとして名を知られていたイチローをトレードで獲得したのである。7月23日の試合前、ヤンキースは2人の新人マイナー選手とイチローのトレードを成立させた。
このトレードは、野球界のライターやファンが予期していたことかも知れない。2010年までのイチローは、打率が3割を下回ったことがなかった。しかし2011年のシーズン終了時には打率が.272、トレード時点では38歳のイチローの打率は.262であった。『Calltothepen.com』のルカス・ライダー氏はこう記している。
For any other player, such an average would be just that: average. But for the sweet swinging veteran right fielder, the number showed signs of decline. No longer was Ichiro a shining star, he was another face in the crowd. The sun was setting on the twilight of a remarkable eleven year career.
普通の選手であれば、打率というのは文字通り「打撃平均」に過ぎないのだが、美しいスイングを見せてくれるイチローのようなベテランのライトにとって、これは明らかに衰退を意味する数字であった。すでにイチローは輝くスターではない、大勢の選手のひとりに過ぎない、ということを暗示する数字であった。素晴らしい11年のキャリアも夕日を向かえ、やがて日没が来ることを意味していた。