元中日・チェンがマーリンズを戦力外 大型契約もけがに勝てず4年間でわずか13勝、“不良債権”扱いも
2019/11/21
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今季はリリーフで防御率6.59
マイアミ・マーリンズは20日(日本時間21日)、チェン・ウェイン(陳偉殷)投手をメジャー40人枠から外す事実上の戦力外(DFA)とした。米公式サイト『MLB.com』が同日、伝えている。
メジャー挑戦から8年目となった、かつての日本球界最強左腕が戦力外を告げられた。契約はあと1年残っているため、来季の年棒2200万ドル(約23億円)の支払い義務がマーリンズにある。
2009年にセントラル・リーグ最優秀防御率(1.54)のタイトルを獲得するなど、プロ野球界屈指の左腕に成長したチェンは2011シーズン終了後にメジャー挑戦。翌12年からボルティモア・オリオールズへの入団が決まり、活躍の場をメジャーリーグに移した。
渡米1年目は12勝11敗、防御率4.02の成績を残し、ローテーション投手として活躍すると、その後はさらにメジャーの環境に適応。14年に自身最多の16勝、翌15年には191回1/3を投げて防御率3.34の成績を残すなどエース級の活躍を見せ、16年1月にマーリンズと5年8000万ドル(約87億円)の大型契約を結んだ。
しかし、新天地では苦難の連続だった。16年は左肘靭帯の部分断裂などで故障者リスト入り。その後も左肘の故障に悩まされ、17年はわずか9登板(5先発)でシーズンを終えた。今季はリリーフとして45試合に登板したが、防御率6.59、68回1/3を投げて87安打、15本塁打を浴びるなど結果を残せなかった。
マーリンズでの通算成績は4シーズンで13勝19敗、防御率5.10。オリオールズでは同じく4シーズンで46勝32敗、防御率3.72だっただけに、本来の実力を発揮できないまま戦力外となってしまった。
また、チームにとっては、球団CEOのデレク・ジーター氏が、クリスチャン・イェリッチ外野手(現ミルウォーキー・ブリュワーズ)ら主力選手を放出する通称“ファイヤーセール”で球団の立て直しを図っていたが、大型契約のチェンが退団となり、かつての主力級が遂に揃って退団した形となっている。
大型契約に見合わない成績であったことから“不良債権”との声も多くあったチェン。故障歴が目立つ今年34歳のベテラン投手ということもあり、メジャーでの活躍は厳しいかもしれないが、来季は再びかつての勇姿を見せることができるだろうか。