MVP候補を放出? 遊撃手セミエンにトレードの可能性、アスレチックスの球団事情とは
2019/11/22
Getty Images
2023年に新球場オープン予定
オークランド・アスレチックスのマーカス・セミエン内野手にトレードの可能性が浮上した。米メディア『NBC Sports』が21日(日本時間22日)、伝えている。
今季MVP最終候補まで残ったセミエンだが、来季にも移籍となるかもしれない。同サイトによると、チームは近い将来にセミエンをトレードする可能性があるとのこと。20年オフにフリーエージェント(FA)となるため、球団側の保有期間はあと1年。トレードで若手有望株と交換するならば、来季は絶好のタイミングとなる。
セミエンは今季全162試合に出場して打率.285、33本塁打、92打点、10盗塁の成績。かつて弱点だった遊撃守備も今や長所の一つとなり、WAR(同一リーグの平均的な野手が出場した場合に比べてどれだけチームの勝利数を上乗せしたか)は驚異の8.1を記録した。
チームはマット・チャップマン内野手ら主力選手が揃っており、今季も97勝65敗と健闘。同地区にはヒューストン・アストロズがいることもあり、優勝を目指すならば、チームの中心的存在であるセミエンは必要不可欠となってくる。
しかし、アスレチックスにはセミエンを手放しかねない球団事情がある。2023年に新球場がオープンする予定となっており、そのタイミングへ向けてのチーム作りをすることが濃厚。そのためにセミエンを放出し、若手有望株を蓄えておく方針を取る可能性があるのだ。
実際、チームには将来を担う若手選手が続々デビュー。今季は22歳のへスス・ルザード投手、24歳のA.J.パック投手が揃ってメジャーデビューした。両者ともに将来は主力級の活躍が期待される若手有望左腕であり、数年後には投手王国誕生の予感も漂っている。
セミエンは現在29歳、2023年を迎える頃には32歳となっており、ベテラン選手になっている。有望株の選手を集めて彼らを軸にチームを作るならば、セミエン放出も選択肢の一つだろう。
しかしチームとしては現在も非常に強いことには変わりない。4年後を見据えつつ、優勝も狙いにいく。そんな離れ業をアスレチックスはできるだろうか。来季は編成総責任者であるビリー・ビーン氏の腕の見せどころかもしれない。