ドジャースFAの左腕ヒル、TJ手術回避で“画期的な代替処置” 不惑迎える男は戦う気力失わず
2019/11/26
Getty Images
「ドジャースを含む10球団が契約に関心」
ロサンゼルス・ドジャースからフリーエージェント(FA)となった左腕リッチ・ヒル投手が、自身2度目となる左肘側副靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を回避する代わりに左肘の靭帯修復処置を受け、来季のプレーに向け意欲を示した。米公式サイト『MLB.com』が25日(日本時間26日)、伝えている。
ヒルはメジャー15年目となった今季、移籍4年目となったドジャースで13試合に登板した。前腕屈筋腱の張りで6月下旬から9月中旬まで戦線を離脱したが、復帰後3試合は先発で短いイニングを投げ計1失点。ポストシーズンでも1試合に登板して復活の兆しを見せた。
同サイトによれば、シーズン終了後にFAとなったヒルは、2011年に受けたトミー・ジョン手術の患部である側副靭帯の部分的な裂傷が判明したため、2度目のトミー・ジョン手術が必要とされた。
しかし、10月にアラバマ州バーミンガムにあるアンドリューススポーツ医学センターのジェフリー・デュカス博士の手によって、同手術の代わりに「一次修復処置」を受けた。
この処置はテープによって損傷した靭帯の周りに「内部ブレース」を形成するもので、これによって回復期間はトミー・ジョン手術を受けた場合の半分で戻ることができ、来年2020年1月には投球が開始できるようになるという。
そして、ヒルがこの処置を受けたことを最初に報じた米ラジオ放送局『WEEIスポーツラジオネットワーク』のロブ・ブラッドフォード氏によれば、「ヒルは来年6月まで戦線復帰する可能性は低い」としながら、「GM会議の場でドジャースを含む10球団が契約に関心を示している」とした。
またヒル自身も復帰に意欲的で、「また(メジャーリーグの舞台に)戻ってくると確信しているよ。2020年を楽しみにしている。もし復帰してワールドシリーズを制覇できると思わなかったら、この処置は受けなかっただろう」とコメント。
さらに現在の状態についても「すでに処置前と感じ方の違いを認識できている。この処置は肘の怪我から復帰するための重要な“最前線”だ」と手応えを示しており、同処置が肘の故障に対する画期的なものであると述べている。
来年3月には40歳になる左腕がリハビリを経て新たに契約を結ぶことができれば、自身のキャリアだけでなく、同じような故障に悩む選手たちの希望にも繋がることだろう。