プレミア12代表の有望株もトレード候補に? 「スター育成」「大物選手獲得への駒」球団の悩める選択
2019/11/30
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様々なドラマ生むトレード、より大きい「得」を目指して
かつて2016年には、レッドソックスが左腕クリス・セール投手を獲得するために、当時のプロスペクトであるヨアン・モンカダ内野手、マイケル・コペック投手らをシカゴ・ホワイトソックスに放出した。
セールはレッドソックスに移籍後も活躍したが、本格化しつつあるモンカダや右肘靭帯再建手術(通称:トミー・ジョン手術)からの復活が期待される最速169キロのコペックも、来季は中心選手としてチームを一気に底上げし優勝候補になるのではないかと目されている。
さらに2015年には、アリゾナ・ダイヤモンドバックスが2年連続2桁勝利の実績があったシェルビー・ミラー投手を獲得するためにダンスビー・スワンソン内野手、エンダー・インシアーテ外野手をアトランタ・ブレーブスに放出した。
しかし、ミラーがダイヤモンドバックスで2016年に12敗を喫したのに対し、ブレーブスに加入したスワンソンはメジャー昇格から年々キャリアハイを更新、インシアーテも2017年にキャリアハイの打率.304をマークするなど躍進。結局、ブレーブスが得するばかりのトレードとなった過去もある。
これまで数々のドラマを生んできた若手有望株と大物選手のトレード。才能ある若手選手を将来のスター選手に育てるのか、大物選手獲得のための駒にするのか。各球団が抱えるプロスペクトをどう「使うか」の選択は、オフシーズンの行方を大きくするとともに、チームと選手の将来に大きな影響を与えるものになる。