MLB、加速する超高学歴化と多様性。ツインズが元NFLスティーラーズのデータ解析専門学者を招聘
2020/01/09
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ツインズの多様性・先進性が際立つ
ツインズはMLB内でも野球戦略や人事などの様々な広い分野で新たな試みを行ってきていることで知られている。NPBやMLB傘下での選手経験を持たない三好貴士氏は、独立リーグ監督時代に初めてセイバーメトリクスを活用した経験を買われて、同チーム傘下ルーキーアドバンスドリーグのコーチに迎えられた。その三好氏の独立リーグ時代からの経験を高く評価しているのが、昨年まで野球運営ディレクターの職にあり、来季からアシスタントGMに就任するダニエル・アドラー氏だ。
アドラー氏もまたハーバード大を卒業し、同大の法律大学院とビジネススクールを経て、経営学修士(MBA)を取得した超エリートでありながら、NFLニューイングランド・ペイトリオッツのインターンを皮切りに、同じくNFLのクリーブランド・ブラウンズとジャクソンビルズ・ジャガーズでキャリアを積んだ後にMLB組織へ移ってきた変わり種だ。その間には有名な経営コンサルティング会社であるボストン・コンサルティング社に在籍したこともある。
MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏はかつてMLB各球団のフロント・オフィスが白人男性によって占められている状況を好ましくないとし、女性やマイノリティの雇用を増やすべきだと発言したことがある。スポーツの垣根を越えて、最新テクノロジーの専門家であるだけではなく、風貌と名前からはアラブ系と思われるカッサム氏を組織内の重要なポストに招き入れたことで、ツインズの多様性と先進性がますます際立つことになるだろう。
角谷剛