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ツインズ、傘下ルーキーリーグの監督に三好貴士氏 NPB、MLBを経由しない日本人マイナー監督は史上初【インタビュー】

 ミネソタ・ツインズは10日(日本時間11日)に公式ホームページを更新し、2020年シーズンにおける傘下マイナーリーグ全チームの監督及びコーチ人事を発表した。その中に名を連ねたのが、ルーキーリーグにあたるガルフ・コースト・リーグ・ツインズ(以下GCLツインズ)の監督に就任した三好貴士氏だ。

2020/01/11

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角谷剛



選手との人間関係の構築が重要。「理解力と規律を整えた上で、プロ野球人としての在り方」を伝える


 
――監督就任おめでとうございます。
 
「ありがとうございます。ツインズの組織全体でも7人しかいない監督の1人になれるのはとても光栄です。以前にNPB、MLB傘下でのプレイ経験がある古賀英彦さんという方(1990年から3シーズン、日本人として初めてマイナーリーグ1Aサリナス・スパーズの監督を務めた)がいました。古賀さんに続いて、NPB、MLB傘下でのプレイでの経験がない自分のような人間が頑張れば、日本の指導者がもっともっと米国野球から受け入れられるようになると思います。そのためにも道を切り開いていきたいですね」
 
――今シーズンはどのようなスケジュールになるのですか?
 
「まずは2月からの春季キャンプです。それが終わると4月からはキャンプ地に残って延長キャンプというものがあります。その時にドミニカ共和国のチーム(DSL ツインズ)から今シーズンのGCLツインズに選ばれた選手たち何人かと会うことになります。そして6月下旬からは公式戦ですね。だから今シーズンはずっとフォートマイヤーズ(ツインズの春季キャンプ施設所在地)にいることになります」
 
――選手たちとは全くの初対面になるわけですね。
 
「ドラフトで入団する選手たちはリーグ開始直前まで分かりません。そこでドミニカ共和国のミニキャンプに行くのです。人間同士がやっていることなので、できれば会っておきたい。ドミニカから1度も出たことがない子たちもたくさんいますから。事前に会って、人間関係を作っておいて、来シーズンの受け入れをスムーズにしてほしいというのがツインズの考えだと思います」
 
――そうすると英語の他にスペイン語も必要になるわけですね。
 
「そうです。むしろスペイン語を話す選手の方が多くなるでしょう。自分もまだまだですけど、スペイン語を勉強しています」
 
――三好さんは昨年までコーチをされていたエリザベストン・ツインズではセイバーメトリクスを駆使した守備シフトの戦略を担当されていたそうですね。
 
「そうです。僕は元々ツインズには新しいテクノロジーに明るいところを買われたものですから。でも僕自身は自分の指導者としての強みはゲームに対する理解力とチーム内の規律を整えて、プロ野球人としての在り方を選手たちに伝えられるところにあると思っています。僕が若い頃に野球を教わったのは、いわゆる“オールドスクール”と呼ばれる人たちで、彼ら素晴らしい野球人たちからの教えが今でも僕の基本です。一方でソノマ・ストンパーズ時代にはセイバーメトリクスの経験もしました。古き良き価値観と新しいテクノロジーのどちらかに偏ることなく、中間でバランスが取れると思っています」

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