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ツインズ、傘下ルーキーリーグの監督に三好貴士氏 NPB、MLBを経由しない日本人マイナー監督は史上初【インタビュー】

 ミネソタ・ツインズは10日(日本時間11日)に公式ホームページを更新し、2020年シーズンにおける傘下マイナーリーグ全チームの監督及びコーチ人事を発表した。その中に名を連ねたのが、ルーキーリーグにあたるガルフ・コースト・リーグ・ツインズ(以下GCLツインズ)の監督に就任した三好貴士氏だ。

2020/01/11

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角谷剛




 

指導者としての“勝利”と“目標”。メジャーリーグに伝えたい、日本人の可能性

 
――三好さんはいつも球場にチームで一番早く来て一番遅く帰ると聞きました。シーズン中はどんな1日になるのですか?
 
「朝5時ぐらいからジムで自分のトレーニングをして、それからチーム練習や試合です。バッティング練習をしたい選手がいればBP(バッティング・ピッチャー)をやりますし、守備練習をした選手がいればノックをします。皆が帰った後で自分のトレーニングや体のケアまですると、宿舎に帰るのは夜の7時や8時ぐらいになりますね」
 
――ご自分ではどのようなトレーニングをするのですか?
 
「アメリカ人がよくやるパワー系の筋トレはあまりやりません。コーチとしてのスキルに役立つような体を作ることが目的ですね。ノックは左右で打ち分けることができますし、左投げも練習していて、もうすぐBPも両方で投げられるようになると思います」
 
――左右で打つのはともかく、左右で投げるのはすごいですね。
 
「ツインズ傘下のコーチになったとき、メジャー全体を見渡してみても、BPを左右で投げる人はいないことに気が付いたのです。だから自分の付加価値を高めるために取り組んできました。他人と同じことをやっていては、僕のようにキャリアがない人間は抜き出ることができませんからね」
 
――三好さんは一時野球をあきらめてサラリーマン生活を送ったことがあると聞いています。その時の経験は指導者として役に立っていると思いますか?
 
「間違いなく、そのときの経験は自分の強みになっていると思います。野球だけをやってきた人には分からない社会の厳しさを知りました。僕らの仕事はメジャーリーガーを育てることなのですが、現実にはメジャーに昇格できない選手が大多数です。だから野球をやめても社会で通用する人材を育てることが重要なのです。例えば野球をやめて5年ぐらいたった後で、あのコーチから受けた教えが役に立っていると選手が言ってくれたら、それが指導者としての勝利ですね。1人でもそういう選手を育てたいです」
 
――三好さんがご自分自身をデータ野球一辺倒ではなくて、オールドスクール側の価値観も持っていると言われる意味が分かりました。ご自分の夢や目標は何でしょうか?
 
「メジャーリーグで勝てる監督になることが目標です。今はそのために、ただただ地道に近道することなく土台を作りたいと思っています。メジャーリーグの人たちに、日本人にはこんな人間がいて、エリートじゃなくても、指導者になれるよと知ってもらいたいですね。MLBでもNPBでも野球界には新しい試みをしている人たちがたくさんいます。そんなゲームチェンジャーの1人になれるよう、自分もまだまだ成長していきます。まずは再来年、首が繋がっているように頑張ります(笑)」
 
三好貴士氏公式ホームページ:https://taka-miyoshi26.com/
 
取材・文 角谷剛

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