アストロズ、アルトゥーベがユニ下の電子機器使用を否定「馬鹿げてる」 過去のMVPへの批判にも言及
2020/01/19
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興奮しても上半身裸になりたくなかった?ALCSでのサヨナラ弾の直後はユニ脱がず「謙虚さから」
ヒューストン・アストロズの主力選手であるホセ・アルトゥーベ内野手とアレックス・ブレグマン内野手がファンフェスタに参加し、MLB(メジャーリーグ)を巻き込む騒動に発展している「サイン盗み」について言及した。米公式サイト『MLB.com』が18日(日本時間19日)、伝えている。
アストロズは2017年から2018年にかけて「サイン盗み」を行ったことがMLB機構の調査によって判明し、ジェフ・ルーノーGMとA.J.ヒンチ監督が1年間の出場停止処分を受け、直後に球団から解任された。
その他にも、球団には2020年と2021年のドラフト1位~2位指名権のはく奪、罰金500万ドル(5億5000万円)といった厳罰が課せられている。それでも、選手への処罰はないとされており、実質的な戦力はほとんど変わらない。
同サイトによれば、ファンフェスタに参加したアルトゥーベとブレグマンは、「ビデオルームで投球を解析した球団関係者が、打席に立つ選手にユニホームの下に着用した電子ブザーを通じてサインを伝達した」とされる一連のサイン盗みの“仕組み”について尋ねられコメント。
アルトゥーベが「それは馬鹿げている。MLBは調査を行ったが、何も見つからなかった」と話せば、ブレグマンも「愚かだ」と電子機器を身に着けた上でのサイン盗みを否定した。
特にアルトゥーベについては、昨年のニューヨーク・ヤンキースとのアメリカン・リーグ優勝決定シリーズ第6戦でサヨナラ本塁打を放った際に「ユニホームの下に電子機器を身に着けていたため、ユニホームを脱ぎたくなかったのではないか」と憶測が飛んでいるが、アルトゥーベ本人は試合後のインタビューで「謙虚さから上半身裸にはならなかったんだ」と話している。
さらに、この日のファンフェスタでは「私に起こった最高のことは、MLBがサイン盗みを調査し(証拠を)何も見つけられなかったこと」と話し、改めてサヨナラ本塁打が“純粋”なものであることを改めて強調した。
しかし、一方で「(サイン盗みの)全てを否定することはできない」としており、球団としてサイン盗みが行われていたことは「(MLBの調査によって)誰もが知っていること」と認めている。
また、アルトゥーベは球団がサイン盗みを実行していたと明らかになった2017年に、MLBシーズン新人最多本塁打記録を「55本」に更新したヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手を抑えてリーグ最優秀選手賞(MVP)に輝いた。
この栄誉についても今では「不公平」との声が上がっているといい、アルトゥーベは疑問を投げかけられることについて「私がMVPであるという人も多くいるし、逆にそうと信じない人も多くいる」と語り、その間で「対応するのはかなり難しい」と少なからずストレスを感じているようだ。
現に厳罰が下ったアストロズのサイン盗みについて、主要選手のほとんどが公で言及していない。この日ファンフェスタでアルトゥーベとブレグマンがユニホーム下の電子機器の使用を否定したが、スプリングトレーニングとシーズン開幕を目前に控え、MLB全体を巻き込んだ「サイン盗み」騒動はまだまだ議論を呼びそうだ。