田中将大、2020年オフのFAランク15位「質の高い投手」 ヤンキースは3人がトップ20入り
2020/01/21
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今季は7年契約の最終年、デビュー以来7年連続2桁勝利、通算90勝も視野
米公式サイト『MLB.com』が20日(日本時間21日)、2020年シーズンオフにフリーエージェント(FA)となる選手のトップ20を特集し発表。ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が15位にランクインした。
1位にボストン・レッドソックスのムーキー・ベッツ外野手、4位にシンシナティ・レッズのトレバー・バウアー投手、5位にヒューストン・アストロズのジョージ・スプリンガー外野手と錚々たる選手たちがランクインする中、唯一の日本人選手として田中が15位に入った。
田中は2014年に7年1億5500万ドル(170億5000万円)の大型契約を結ぶと、1年目から13勝5敗と好スタート。2016年には14勝4敗で貯金を「10」作るなど、2桁勝利をマークし続けた。そして昨季は先発ローテーション投手が相次いで故障で離脱する中、エースとして11勝9敗、防御率4.45の成績でデビューから6年連続2桁勝利を達成した。
同サイトは田中について「球速は落ちているものの、2019年は握りを変えたスプリットで良い結果が得られた。試合では長打を打たれることもあるが、彼は質の高い投手だ。心配されるのは右肘靭帯の部分的な断裂だが、2014年半ばから既知の問題であり、これによって長期離脱をしたわけではない」と評価している。
米データサイト『MLBファングラフス』によれば、確かに速球の平均球速は2017年にメジャーキャリア最速となる92.2マイル(約148.3キロ)をマークして以降、2018年は91.7マイル(約147.5キロ)、昨季は91.5マイル(約147.2キロ)と年々落ちてきている。
しかし、投球における球種の割合で速球は過去3年で最も多い30.5%。速球を生かしながら87マイル台(約140キロ台前半)をキープし続けるスプリットで打者を打ち取る、元々の制球力があってこそ光るその投球スタイルには熟練の技の進化が見られる。
今季は契約最終年となるが、メジャーデビューから7年連続の2桁勝利とともに、メジャー通算90勝も視野に目指したいところ(現在通算75勝)。それが達成できれば、ヤンキースのアメリカン・リーグ東地区連覇も現実的なものになるだけでなく、田中自身さらなる大型契約も勝ち取れるはずだ。
なお、ランキングには田中の他にもヤンキースの選手たちが複数ランクイン。昨季15勝を挙げたジェームズ・パクストン投手が6位、移籍1年目でリーグ2位の打率.327をマークしたD.J.ラメイヒュー内野手が8位に入った。
田中を含めて、これらの選手の流出阻止のためヤンキースが再契約を結ぶ可能性もあるが、もしそれが叶わない場合は大幅な戦力ダウンとともに来季以降の優勝戦線にも影響が及びかねない。常勝を義務付けられるヤンキースがオフにどのような選択をするのか、今から注目だ。
『MLB.com』が発表した、2020年シーズンオフにFAになる選手トップ20は次の通り。
1位:ムーキー・ベッツ(レッドソックス)外野手
2位:J.T.リアルミュート(フィリーズ)捕手
3位:マーカス・セミエン(アスレチックス)遊撃手
4位:トレバー・バウアー(レッズ)投手
5位:ジョージ・スプリンガー(アストロズ)外野手
6位:ジェームズ・パクストン(ヤンキース)投手
7位:マーカス・ストローマン(メッツ)投手
8位:D.J.ラメイヒュー(ヤンキース)内野手
9位:マイク・マイナー(レンジャーズ)投手
10位:ジェイク・オドリッジ(ツインズ)投手
11位:ロビー・レイ(ダイヤモンドバックス)投手
12位:アンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)遊撃手
13位:ジョク・ピーダーソン(ドジャース)外野手
14位:ディディ・グレゴリアス(フィリーズ)内野手
15位:田中将大(ヤンキース)投手
16位:ホセ・キンタナ(カブス)投手
17位:マイケル・ブラントリー(アストロズ)外野手
18位:ジャスティン・ターナー(ドジャース)三塁手
19位:アンソニー・デスクラファニ(レッズ)投手
20位:ネルソン・クルーズ(ツインズ)指名打者