60年前の給与明細書で明らかにされたマイナー選手の待遇悪化。一方メジャーリーガーの「最低」収入は10倍以上に
2020/02/10
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現在の給与は3分の1程度に
そこに書かれている額面は362.50米ドル。米国では給与が2週間ごとに支払われることが多く、この金額が半月分か1か月分かははっきりしない。だが、そのどちらであったとしても、過去60年のインフレ率を加味して現在価値を計算し、現在のマイナーリーガーたちが置かれた状況と比較すると、この金額はかなり恵まれていたことがわかる。
ちなみに1960年当時の362.50米ドルを現在2020年の価値に換算すると3130.93米ドル(約34万3000円)になる。
これが月額だったとしても、2020年現在のマイナーリーガーは1年目の給与上限を1か月1100米ドル(約12万円)と定められているのだから、アレン氏が60年前に手にした「初任給」の実質価値はその3倍に近い。
米国国勢調査によると、1960年当時の米国人の平均的世帯年収は5600米ドルだった。それを月額に計算すると約467米ドルになる。アレン氏が受け取った362.50米ドルが周りと比べてもさほど安くなかったことがわかるだろう。
同じく2019年の平均的世帯年収は8万9931米ドル(約986万円)で、60年前と比べると約16倍になっているにもかかわらず、マイナーリーガーたちの給与は額面でもほとんど変化がないのだ。インフレ率を考えると、物価や生活費は60年前の約9倍になっているのに、収入が頭打ちということになり、いかに彼らが直面している状況が悪化しているかは想像に難くない。