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前ロッテ・ボルシンガーがアストロズを提訴 サイン盗みで大量失点→翌日戦力外「何を投げるのか分かっている」

2020/02/11

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請求金34億円は慈善活動や引退選手支援に充てることを求める

 昨季限りで千葉ロッテマーリンズを退団したマイク・ボルシンガー投手が、サイン盗みが判明したヒューストン・アストロズを提訴した。米メディア『USA TODAY』が10日(日本時間11日)、伝えている。
 
 17年までMLBでプレーしていたボルシンガーが、選手として正式にアストロズを訴えることになった。17年にワールドチャンピオンのタイトル獲得で得たボーナス3100万ドル(約34億円)を返上し、ロサンゼルスに住む子供達のための慈善活動や、経済援助が必要な引退選手への支援に充てることを求めている。
 
 ボルシンガーは14年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスでデビュー。15年から16年まではロサンゼルス・ドジャースに所属し、17年はトロント・ブルージェイズでプレーした。17年シーズンは5月までに打ち込まれていたボルシンガーだが、マイナーで着実に結果を残して夏場には再びメジャー復帰を飾っていた。
 
 しかし、復帰後に対戦した相手にはアストロズがいた。8月4日(同5日)の試合では、1/3回を4安打1本塁打で4失点とノックアウト。同サイトによると、サインを知らせるためにゴミ箱などを叩く音は、全29投球中、何と12球で鳴っていたという。そして翌日に球団からメジャー40人枠から外れる措置(DFA)を取られた。
 
 ボルシンガーはこの登板について「キャリアの中であれほど悪いは投球はなかった。何を投げるのか分かっているみたいだと、当時言っていたのを覚えている」と述べ、当時を振り返っている。
 
 この1試合以来、ボルシンガーがメジャーに昇格することはなかった。もしアストロズがサイン盗みを行って得点を重ねていたのならば、1人の選手のキャリアを大きくねじ曲げたことになる。ただ、元々不振に陥ってたという事実も否めず、そこが論点にもなりそうだ。
 
 ボルシンガーはその後来日し、ロッテで活躍することができたが、サイン盗みの被害者の中には職を失った選手、大減俸となった選手もいるはずだ。選手対球団といった前代未聞の訴訟の結果は、今後のサイン盗み疑惑に関する論争でも話題の中心になっていくだろう。



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