ポストシーズン進出へ マリナーズはイチローを呼び戻すべきか
イチローはすでに41歳。だが彼こそ、マリナーズが今必要としている打撃の突破口を与えてくれる選手かもしれない。
2015/06/30
Getty Images
想定外に苦戦するマリナーズ
期待はずれのシーズンを送るマリナーズにとって、打撃コーチとしてエドガー・マルティネスと契約したのは、何とか名誉挽回を図るひとつの方法であった。しかしマリナーズが過去を現在に取り組む作戦、それはここで終わってはいけない。もし7月中旬まで、ワイルドカードのチームになれる可能性をマリナーズが残すことができれば、マーリンズと交渉してイチローをトレードで呼び戻すべきという意見が出ている。
Yes, I’m being serious.
私は本気でそう思う。
このような記事でシアトル、いや全米の野球ファンを驚かせたのは、現地の新聞The Seattle Timesのジェフ・ベーカー記者である。
The issues plaguing the Mariners and limiting their ability to improve by next month’s trade deadline are mostly financial and compounded by the team’s design. Ichiro can help with skills Seattle lacks and getting him here shouldn’t cost much.
来月末のトレード期限までにマリナーズがレベルアップするのを阻止しているのは、ほぼすべて経済的な要因で、またチームのデザイン・構成がさらにこれを複雑化している。イチローが戻ってくれば、チームに不足している技術を補ってくれるし、今イチローを獲得することは、それほど金銭的な負担も伴わない。
マリナーズの最大の問題は、コスト節約のために、並以上のポジションプレーヤー(投手以外の選手)でチームの若い芯を築き上げずに、首位争いに臨んでいることである。球界の常識から言えば、高い金額を払わずに戦うには、安い年俸で多くのいい選手を育て上げることが必要となる。でなければ、オフの12月にも言ったことだが、今年マリナーズが注ぎ込んだ1億2000万ドルという大金さえ、十分ではない。フリーエージェント制度やトレードでカノーやクルーズのような実績あるハイレベルの選手を獲得し、すべてのポジションを埋めるにはさらに大金が必要と指摘している。
クルーズの移籍後も、マリナーズにはレギュラー外野手や中レベルの先発投手が必要であることは明らかである。その穴を埋めようと、マリナーズは自らのファーム・システムで育ててきた選手や年俸の安いプラテューンを使ってきた。しかしここまでの結果を見る限り、この方法は成功していない。
ロビンソン・カノーが加わった去年でさえマリナーズは、91試合負けた2013年シーズンと比べて得点がたった5点増えただけだった。去年87勝もできたのは、夏に投手陣が踏ん張って、毎試合平均2点しか許さなかったことが大きな原因であろう。
だが今年は違う。3月には90勝できると言われていたこのチームだが、去年と同じ87勝するためにはもっと点を取らねばならない。クルーズを獲得しただけでは不十分である。若いプレーヤーがもっといい仕事をしなければ無理なのだ。カノーがショーン・フィギンズなみの選手に変身して状態はさらに悪化しつつある。カイル・シーガー以外に球団内のファームで若い才能を培う必要がある。