前田健太、元同僚ダルビッシュ有の17年WS大乱調に言及 サイン盗みに「イライラ」もツインズへの貢献に集中
2020/02/15
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自身はアルトゥーベに被弾「良い打者だが…」
ロサンゼルス・ドジャースからトレードでミネソタ・ツインズに移籍した前田健太投手が、ヒューストン・アストロズが行ったとされる一連のサイン盗み問題に言及した。米公式サイト『MLB.com』が14日(日本時間15日)、伝えている。
ツインズには、2017年にワールドシリーズを戦った2チーム、アストロズとドジャースのいずれかに所属していた選手が4人在籍している。当時ドジャースには前田とリッチ・ヒル投手、アストロズにはタイラー・クリッパード投手、マーウィン・ゴンザレス内野手が所属していた。
このうちゴンザレスは、11日(同12日)に公の場でアストロズのサイン盗みについて謝罪のコメントを発表。試合に直接的な影響を与えたことに対して反省の気持ちを表明した。
一方の前田は14日(同15日)、2017年のポストシーズンでワールドシリーズ制覇をアストロズに阻まれたことについて言及。「当時ドジャースはシリーズを制するチャンスがあったので、少しイライラしている。しかし、それは過去のことであり、今自分ができることはツインズのワールドシリーズ制覇に貢献することだ」と話し、サイン盗みについて不満を示しながらも、ツインズでの戦いに集中する意思を示した。
前田は2017年のワールドシリーズでリリーフとして計4試合、5回2/3を投げ1失点と悪くない結果を残している。しかし、唯一の失点となったのは、第5戦で浴びたホセ・アルトゥーベ内野手によるソロ本塁打だった。前田はこの一発について「アルトゥーベ自身は良い打者だが、彼が自分の投球サインを知っていたなら腹が立つ。それでも、本当にその時サイン盗みを行っていたのか分からないので、何も言えない」と語っている。
さらに、前田は当時チームメイトだったダルビッシュ有投手(現シカゴ・カブス)が最もインパクトを感じたのではないかと語気を強め、同シリーズで2試合に登板し0勝2敗、3回1/3を投げて本塁打2本を含む被安打9、失点9、防御率21.60と大乱調だった右腕について「ダルビッシュは普段はそれほど多くの安打を打たれないので、この(サイン盗みの)ニュースが出た今、理にかなっている」と理解を示し、その上で普段では考えられないと認識する「奪三振0」という結果にも疑問を投じていた。
そして、前田の新指揮官となったツインズのロッコ・バルデリ監督は、前述の4選手が1つのチームに在籍する状況について「もちろん、我々はそのことに注意を払っている」とコメント。加えてゴンザレスがアストロズでのサイン盗みを謝罪したことを受けて「マーウィンはこの問題ついて非常に素晴らしいことをしたと思う。彼は頭を下げ、正直に話してくれた。人々がそれにどう反応するかは分からないし、誰もが受け入れてくれるとは限らないが、我々は(ゴンザレスが謝罪してくれて)良かったと思う」と、今後チームがまとまる上でゴンザレスが行った謝罪を評価した。
チームは13日(同14日)にバッテリー組がスプリングトレーニングに入り、前田も新しいユニホームに袖を通して新天地でのスタートを切った。
初のブルペン投球ではミッチ・ガーバー捕手を相手に投げ込み、速球、チェンジアップ、カーブ、スライダーを披露。前田は「新しいチームとなったが、重要なのはこれまでのシーズンとの一貫性を保つこと。いつものスプリングトレーニングと同じように行っていく」と話し、シーズン開幕へ向けて焦らず調整を進めていく考えを示している。