ドーピングに“ノー”。2人の殿堂入りレジェンドが若手選手にメッセージ
2020/03/10
Getty Images
2005年以降、40名以上のドミニカ人選手が違反
ドミニカ共和国が誇る2人の殿堂入り選手、ペドロ・マルティネス氏とブラディミール・ゲレーロ氏が、多発するドーピング違反に「ノー」を突き付けた。8日(日本時間9日)、米国メディア『ESPN』のスペイン語圏向け『ESPNデポルテス』が報じている。
ドミニカ共和国サントドミンゴで開催されたミネソタ・ツインズ対デトロイト・タイガースのオープン戦で両氏は始球式に参加した。その後の会見でマルティネス氏は、同国出身選手にドーピング違反者が多いことについて「現在も同胞の4選手が陽性により処分中であることは非常に寂しい。こうした状況を恥ずかしく思う」と述べる。
そして3度のサイ・ヤング賞獲得投手は「ドミニカの若者には、ハードにトレーニングし、清廉さを保ち、野球をリスペクトし、そして我が国の名声を傷つけないようにと望んでいる」と続け、ゲレーロ氏も「違法行為を持ちかけるのはだいたいの場合で友人だったりする。”ノー”と言って欲しい。シーズンは6ヶ月と長く、疲れもする。それに耐えるためにもハードにトレーニングしてもらいたい」と選手にメッセージを送っている。
2005年以降、40名以上のドミニカ人選手がドーピング違反により処分を受けており、現在もフランシス・モンテス投手(ヒューストン・アストロズ)、ドミンゴ・レイバ内野手(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)、パブロ・レジェス外野手(ピッツバーグ・パイレーツ)、ビクター・アルカンタラ投手(フリーエージェント中)の4選手が出場停止の処分中にある。
マルティネス氏は「野球界に身を置く人間として、陽性の若い4選手たち、そして今後ドーピング検査を受ける選手にハッキリと言っておきたいのは、この検査をダマすのは不可能であるということだ。選手たちは野球界で認められていないことはすべきでない。家族もそのために手を貸すべきだ」とコメントした。
野球界のみならず、スポーツ界全体を覆うドーピング問題。その卓越したパフォーマンスが違法薬物によるものであると発覚するとき、ファンの失望は非常に大きいものとなる。自らの努力で殿堂入りまで上りつめた2人のレジェンドの言葉は重い。そのメッセージは選手たちに届くのか。