ホワイトソックス、有望株右腕が160キロ連発で復活の一歩 TJ手術後18カ月ぶり登板「興奮している」
2020/03/11
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チームはオフに大補強!若手成長株もそろい地区優勝候補に
かつて最速169キロを計測したこともあるシカゴ・ホワイトソックスの若手有望株マイケル・コペック投手が、右肘側副靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)後初となる登板を果たし、速球の球速は100マイル(約161キロ)を計測した。米公式サイト『MLB.com』が10日(日本時間11日)、伝えている。
コペックは2014年にボストン・レッドソックスからドラフト1巡目(全体33位)指名され、2016年に左腕クリス・セール投手やヨアン・モンカダ内野手らが絡むトレードでホワイトソックスに移籍。2018年にメジャーデビューを果たしたものの、右肘を痛め4試合の登板にとどまり、9月に右肘側副靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け長期離脱を余儀なくされた。
そして昨季2019年のシーズンは全休して懸命なリハビリ期間を過ごす。同手術の回復およびリハビリ期間は通常約1年間とされており、今季2020年は復活のシーズンとして見込まれている。球団の若手有望株ランキングでは3位に位置づけられ期待の高さは相変わらず根強い状態だ。
迎えたスプリングトレーニング(春季キャンプ)。コペックはマウンドに18カ月ぶりに帰ってきた。10日(同11日)にアリゾナ州グレンデールで行われたテキサス・レンジャーズとのオープン戦に先発登板し、初回に打者3人に対してニゴロ、ニゴロ、見逃し三振と完璧な内容で抑え切って見せた。
同サイトによれば、コペックがこの日投げた11球のうち6球が100マイル(約161キロ)を計測。グレッグ・バード内野手を三振に仕留めた際には最速101マイル(約163キロ)を計測したという。23歳右腕は「最初の2球はコントロールできないと感じた」と話しながらも、「3球目には落ち着いてきたよ。だけどまだかなりのアドレナリンが流れている」と久々の登板に興奮を隠しきれない様子だった。
登板後にはブルペンでさらに10球を投げ込んだコペック。「通常は今日のように激しく投げないだろう。(剛速球は)誇りに思っていて興奮しているが、“パワー投手”になるつもりはないよ」と、今後へ向けて持ち前の速球だけでなく技術を駆使した冷静な投球を心掛ける姿勢を示した。
今季のホワイトソックスは、オフに主砲ホセ・アブレイユ内野手と再契約、さらにヤズマニ・グランダル捕手やエドウィン・エンカーナシオン内野手、ジオ・ゴンザレス投手、ダラス・カイケル投手ら積極的な補強を敢行。さらに昨季14勝を挙げたルーカス・ジオリト投手やモンカダ、イーロイ・ヒメネス外野手といった有望な若手選手も多く、2008年以来となる地区優勝の候補に挙がっている。
この日大きな一歩を踏み出したコペックも「再び競争できるのは良い気分だ。自分の好きな方法で競争するチャンスがあると思う」と成長株がしのぎを削る先発ローテーション争いに意欲的。このまま本格的に復活を果たし、シーズンを通じて健康を維持しながら先発の一角として活躍できれば、12年ぶりの優勝はさらに現実的なものになるだろう。