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「収入を得るためには仕方がない」。新型コロナから選手を守るはずが…MLB開幕延期で苦境に立たされるマイナーリーガーたち

2020/03/16

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キャンプ地で宅配運転手を始めたマイナー投手

 MLB傘下のマイナーリーガーたちも苦境に立たされている。オークランド・アスレチックス傘下のピーター・バイヤー投手がキャンプ地のアリゾナでレストラン宅配サービス『DoorDash』の運転手として働き始めたと、スポーツ大手週刊誌『スポーツ・イラストレイテッド』が伝えている。
 
 MLBが春季キャンプを中止したのは選手たちを外部との接触から守ることも大きな理由の1つであったはずだが、皮肉にもバイヤー投手はむしろ野球場にいるよりも外部との接触を増やさなくてはいけなくなった。
 
「収入を得るためには仕方がないよ。リスクは承知の上さ」とバイヤーは語っている。
 
 2016年にドラフト9巡目でタンパベイ・レイズから指名されたバイヤーの契約金は7500ドル(約81万円)だった。2018年にはアスレチックスへトレードされ、1Aアドバンスで過ごした昨年のシーズンは4月から8月までの間、約1500ドル(約16万円)の給料を得た。もっとも、施設使用料として毎月200ドル(約2万2000円)が差し引かれ、シーズンを通しての年間収入は約6200ドル(約67万円)だった。
 
 バイヤーにとっては生活面では野球教室で働くオフシーズンの収入の方がはるかに重要なわけだが、シーズン開幕がいつになるかわからない状態ではその仕事に戻るわけにはいかない。またアスレチックス傘下マイナー組織のどのレベルで開幕を迎えるかもわかっていない。もしバイヤーが望むように2Aに昇格できたとしたら、そこでは住居費がチームから支給されないので、生活はむしろ厳しくなるかもしれない。
 
 バイヤーは当初UberやLyftの運転手をすることを考えたが、新型コロナウイルスの感染を恐れて、自分の車に不特定多数の人間を乗せるより、食べ物の宅配をすることを選んだ。1日に2時間から4時間ほどの勤務で、時給換算で2000円ぐらいにはなるとバイヤーは述べている。
 
「もしMLBでもMiLBでもいいから、僕らのことを何とかしてくれたら良いのだけどね。でも今のところ、まったく何も聞いていない。旅費は出すから家に帰れ、その後は自分で何とかしろ、ってこと以外はね」
 
 
角谷剛

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