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MLBと選手会が2020ドラフト会議の変更案に合意 上位限定指名、契約金遅れ…“弱者”アマ選手の窮地に批判噴出

2020/03/28

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現メジャーリーガーには手厚い保障も

 MLB機構と選手会が26日(日本時間27日)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による2020年シーズンの短縮に伴う問題点についてビデオ協議を行い、いくつかの対応策について基本的に合意したと米メディア『ESPN』のジェフ・パッサン氏と『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタール氏の両名が匿名の情報源からの話として報じた。また、『AP通信』など多くのメディアが続報を伝えている。
 

 
 合意内容には2020年シーズンが中止、あるいは短縮された場合に選手たちが受け取る補償金額に加え、フリーエージェント(FA)や年俸調停の資格に重要なメジャー在籍日数の対応が含まれている。
 
 大筋では、選手たちには前払金が支払われ、その総額は1億7000万ドル(約184億円)になるだろうということだ。『AP通信』によれば、今シーズンに全メジャー選手に支払われる予定だった年俸総額は約40億ドル(約4300億円)なので、補償される金額はそのおよそ4%にあたる。
 
 また2020年シーズンの試合数にかかわらず、現時点でメジャー40人枠に入っている選手はシーズンが行われた場合と同等の在籍日数が保証される模様だ。例えば、仮に今シーズンが完全に中止されたとしても、メジャー3年目の大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)は今シーズンオフには年俸調停資格を得ることになる。
 
 協議ではドラフト会議についても話し合われた。現在のメジャーリーガーたちが手厚い既得権益で守られるのに対し、将来のメジャーリーガーを夢見るアマチュア選手たちには大きな影響が避けられないようだ。
 
<予想されるドラフト会議の変更点>
 
 いくつかの報道をまとめると、2020年のドラフト会議及び海外FA選手獲得について、以下のような変更がMLB機構と選手会の間で合意があったとされる。
 
・2020年度のドラフト指名は5巡目まで、2021年度は20巡目までとする(現行は40巡目まで)
・2020年度ドラフト会議は7月20日頃まで延期する(現行は6月10日)
・2020年と2021年に入団する新人選手の契約金の支払いを2年間遅らせる
・ドラフト外契約を結ぶ新人選手の契約金の上限を2万ドル(約216万円)とする
・海外FA選手の契約解禁日を来年の1月15日へ延期する(現行は7月2日)
 
 現在は全米中の大学野球と高校野球が今年のシーズンが中止あるいは中断されている。たとえドラフト会議が上記のように延期されても、アマチュア選手たちが実力をスカウトにアピールする機会がないことには変わりがない。MLB全球団がすべてのスカウト活動を停止しているため、海外の選手たちについても同様である。
 
 NCAA(全米大学体育協会)は大学選手たちの出場資格を1年間延長するかもしれないと見られているが、その決定は3月30日(同31日)に下される予定だ。
 
 野球専門誌『Baseball America』によれば、2019年度における新人契約金の総額はメジャー全体で約3億1600万ドル(約342億円)に及び、そのうちのおよそ75%がドラフト5巡目までの選手たちに対して支払われた。

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