「やれることはいくらでも」ツインズ傘下の三好貴士監督が語る今。メジャーキャンプで得たものを糧に余念なし
今シーズンからミネソタ・ツインズ傘下のルーキーリーグ、ガルフ・コースト・リーグ・ツインズ(以下GCLツインズ)の監督に就任した三好貴士氏。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で、2020年シーズン開幕延期が決定した後もキャンプ地であるフロリダ州フォートマイヤーズ市のツインズ施設に留まり、いつになるかわからないシーズンの開幕に備えている。選手とスタッフのほとんどがキャンプ地を離れ、散り散りになった今、ツインズ歴史上初の日本人監督は何をしているのか。電話インタビューで尋ねてみた。(以下敬称略)
2020/03/29
テクノロジーを利用したコミュニケーションで管理職の役割もこなす
三好が現在日々を送っているツインズ施設にはわずかな人数の選手しか残っていない。春季トレーニングが中止になり、ツインズ傘下の選手もコーチもほとんどが一旦自宅に戻ることになった。三好も日本帰国を考えたが、再入国が困難になるかもしれない懸念があったため、キャンプ地に留まることを決めた。渡航制限のために帰国できないベネズエラ人選手たちも同様だ。
試合はおろか、組織での練習も禁止されているので、野球場のすぐ近くに泊まり込みながら野球ができない状況ではあるが、それでも三好のモチベーションが下がることはない。
各地に散らばったツインズ傘下の他のマイナーチーム監督たちとの電話会議に出席し、打撃コーディネーターらと選手の動画を見ながら指導方針を話し合い、GCLツインズ内のコーチ陣とチャットで情報共有を行うなど、様々なコミュニケーションはテクノロジーの恩恵を大いに受けている。GCLツインズにはプロでの経験が浅いコーチも多いため、三好には彼らを指導していく管理職としての役割も大きい。
「グラウンドに立てなくても、やれることはいくらでもあります。むしろシーズンの準備にじっくり時間が取れたことは良かったと考えています」
そして三好は、自身がいつでも動けるようにコンディションを整えること、コーチとしてのスキルを伸ばすためのトレーニングにも余念がない。
「左でバッティング・ピッチャーができるようになるため練習しています。毎日投げ過ぎて肩が痛いです(笑)。1日150~200球ぐらい投げてます」
ツインズ施設の近辺もスーパーマーケットなどを除き、ほとんどの商業施設が閉鎖され、市民は不要不急の外出をしないようにと呼びかけられている。だが三好は生活面での不便は感じないと言う。
「食事は宿泊施設で3食出ますし、外出できなくても何の問題もありません。人数が少ない分、1人1人に応じた食事を作ってくれて感謝しているぐらいです。ツインズに入る前はボイラー室で寝泊まりしていた時期もありましたから、それに比べたら天国のようなものです」
GCLツインズが所属するガルフ・コースト・リーグは「サマーリーグ」とも呼ばれ、例年は6月下旬から8月下旬までの2か月間に渡って行われる。現在のところ、今シーズンの開幕日は未定だ。